2021年10月28日木曜日

暖かな朝

穏やかな朝で青空が広がっていました。
昼前のニュースをみていると寒暖差に注意と言われるのように
最低気温と最高気温で10度の差がある…
昨日から流れているニュース

望月衣塑子さんのTwitterに

これも全て国民の税金。酷い話だ。

「アベノマスク」余った8200万枚、倉庫に…保管費用だけでも6億円〟(東京新聞 10月27日)

磯崎官房副長官は会見でコロナで政府が調達した介護施設向けなどの布マスク約1億4千万枚のうち、
3月末時点で約8200万枚が倉庫に保管されていたと明らかに。
 毎日新聞北海道報道部のTwitter(10月25日)に

#北海道 のコメがうまいのは農家のおかげか。違う。温度が上がったらだ。#温暖化 はいいこともある」
きょう道内に衆院選応援に来た #麻生太郎・自民党副総裁の発言です。
品種改良に懸命に取り組んできた農家の努力は、どこに行ったのでしょう…。
銘柄も間違えていました。

麻生太郎氏「北海道のコメがうまいのは温暖化のおかげ」 街頭演説〟(毎日新聞 10月25日)

2030年削減目標達成でも今世紀末までに平均気温2.7度上昇 国連」(NHK 10月27日)
2.7度ってたいしたことないと思いますか?
國本依伸さんのTwitterに

せっかく収束しかけてんのに今更蒸し返すのもどうかと逡巡しつつ、
彼が優秀なら日本の司法試験受けてるはずだとか、
彼の論文をGoogle翻訳してみたら大したこと書いてなかったとかいう投稿流れてたの、
まさに日本の病理現象だと思うので少しだけ思うとこ書きます。

まず前者は、外国のロースクールを卒業することの大変さに少しでも触れたことある人間なら絶対に出てこない発想。
だから日本の司法試験を突破した者や海外留学経験者からはこういう訳の分からない誹謗は出てこない。

後者に至ってはもっと深刻で、英語読めないから機械翻訳使ってるわけですよね。
英語を読むことすら出来ない人が、英語論文を書き上げて米国で賞を獲得した人を「大したことない」と蔑む。
バズらせようと思って書いたのかもしれないけど、こういう発想を公に出そうと思ってしまう思考心理が相当まずい。

なお米国の弁護士資格や会計士資格を取得し、あちらで活躍されてる日本出身者はそこそこおられます。
彼ら彼女らの助けがなければ、日本企業も我々日本弁護士も困ることが多々あります。
現地のことを母語である日本語で相談できることのメリットて、ものすごく大きいんですよね。
 (「」 最終回)

 登勢は何かの拍子にそのことを坂本に話し、色の黒いひとは気がええのどっしゃろかと云うと、俺も黒いぞと坂本は無邪気なもので、誰にも云うて貰って困るが、俺は背中にでかいアザがあって毛が生えているので、誰の前でも肌を見せたことがない。
登勢はその話をきいてふっとお光を想い出し、もう坂本の食事は誰にも運ばせなかった。
そろそろ肥満して来た登勢は階段の登り降りがえらかったが、それでも自分の手で運び、よくよく外出しなければならぬ時は、お良の手を煩わし女中には任さなかった。
(『織田作之助全集 5』青山光二、伊吹武彦、瀬川健一郎、藤沢桓夫、前川和彦編纂 講談社 昭和45年)
 もうしっかり美しい娘になっていたお良は、女中の代りをさせるのではないが坂本さんは大切な人だからという登勢の言葉をきくまでもなく、坂本の世話をしたがり、その後西国へ下った坂本がやがてまた寺田屋へふらりと顔を見せるたび、耳の附根まで赧くして喜ぶのは、誰よりも先ずお良だった。
ある夜お良は真蒼な顔で坂本の部屋から降りて来たので、どうしたのかときくと、坂本さんに怪談を聴かされたという。
二十歳にもなってと登勢はわらったが、それから半年たった正月、奉行所の一行が坂本を襲うて来た気配を知ったとたん、裸かのまま浴室からぱっと脱け出して無我夢中で坂本の部屋へ急を知らせた時のお良は、もう怪談に真蒼になった娘とも思えず、そして坂本と夫婦にならねば生きておれないくらいの恥かしさをしのんでいた。
それは火のついたようなあの赤児の泣き声に似て、はっと固唾をのむばかりの真剣さだったから、登勢は一途にいじらしく、難を伏見の薩摩屋敷にのがれた坂本がお良を娶って長崎へ下る時、あんたはんもしこの娘を不仕合せにおしやしたらあてが怖おっせと、ついぞない強い眼でじっと坂本を見つめた。
 けれども、お良と坂本を乗せた三十石の夜船が京橋をはなれて、とまの灯が蘆の落かげを縫うて下るのを見送った時の登勢は、灯が見えなくなると、ふと視線を落して、暗がりの中をしずかに流れて行く水にはや遠い諦めをうつした。
果して翌る年の暮近いある夜、登勢は坂本遭難の噂を聴いた。
折柄伏見には伊勢のお札がどこからともなく舞い降って、ええじゃないか、ええじゃないか、淀川の水に流せばええじゃないかと人々の浮かれた声が戸外を白く走る風と共に聴えて、登勢は淀の水車のようにくりかえす自分の不幸を嚙みしめた。
 ところが、翌る日には登勢ははや女中たちと一緒に、あんさんお下りさんやおへんか、寺田屋の三十石が出ますえと、キンキンした声で客を呼び、それはやがて淀川に巡航船が通うて三十石に代るまでのはかない呼び声であったが、登勢の声は命ある限りの螢火のように背一杯の明るさにまるで燃えていた。
  作品解題  青山光二

 「

『文藝春秋』(昭和19年9月号)に発表。
 ストーリー・テラーとしてようやく成熟の域に入った著者の技巧を縦横に発揮した快作。
女主人公の登勢は素直で勝気で可愛く、ピチピチ弾んだ汗かきの女という、著者好みの人物。
初期の「雨」『青春の逆説』の主人公毛利豹一の母親が、やはりこういう人物に設定されている。
豹一の母親がつねに、「あてだっか? あてはどうでもよろしおま」と自己の人生をあきらめているように、「螢」の登勢も、自分の行く末というものを、いつどんな場合にもあらかじめあきらめておく習わしがついている女だ。
 この登勢を中心に、凝縮した年代記風に構成されたこの物語は、伏見の船宿寺田屋を舞台として展開され、螢火、赤児の泣き声、薩摩武士の「おいごと刺せ」の叫び、坂本龍馬の遭難、腹話術応用〝見た人形〟等々と映画好みの道具立てをいやというほどふんだんに、しかしあくまで巧みに按配して盛りこんでいる。
夜風を染める青い螢火は、暗がりに閃く金木犀の香りとともに、現実へよせる著者のノスタルジーの象徴であろう。
(『織田作之助全集 5』 講談社 昭和45年)
流離と放浪――織田作之助の生涯  井村身恒

  妻の白い体の上を飛ぶ蛍

…前略…

 結核の小康を得ていた作之助は新聞記者の職にも就き、昭和14年7月、(宮田)一枝との五年越しの恋を実らせる。
 大阪府南河内郡田村(現堺市)。
二人が暮らした南海高野線北野田駅の界隈には、今は高層マンションが林立し、再開発の最中だが、当時は、大美野(おおみの)田園都市の入り口で閑静だった。
(『織田作之助の大阪』編者 オダサク倶楽部 平凡社 2013年)
   彼の家は池の前にあった。蚊が多かった。
   新婚の夜、彼は妻と二人で蚊帳を釣った。永い恋仲だったのだ。
   蚊帳の中で蛍を飛ばした。妻の白い体の上を、スイスイと青い灯があえかに飛んだ。

            「蚊帳」
 「蚊帳」に書かれたとおり、新居の前には池があり、蛍が舞っていた。
「ケチな新聞社につとめ、ケチな女房と同居して……」と照れながら新婚生活を楽しんだ。
「カフェの美人女給」の印象とは裏腹に、一枝は世話女房ぶりを発揮する。
「ほうれん草三銭、風呂敷三銭、ちり紙四銭、などと毎日の入費を書き込んで所帯を切り詰め」という「夫婦善哉」の蝶子ならぬ一枝のきちょうめんな字がびっしり並ぶ家計簿が、大阪府立中之島図書館所蔵の織田文庫に残る。
「主人の煙草代が重む」というけなげな反省も記される。
新聞記者の月給50円で家賃が23円の新築二階建て長屋に住むには、雑誌などの原稿料が同額程度入ったとこともあったとはいえ、意外なほどつつましやかな生活だったことがうかがえる。
(『織田作之助の大阪』編者 オダサク倶楽部 平凡社 2013年)
今朝の父の一枚です(^^)v
コゲラに出会っていました。
木陰で暗く、オート撮影なので被写体ブレになってしまいました。
コゲラの木をつつくスピードは見ていると、よく脳震盪を起こさないものだと感心します。

キツツキは脳に損傷を受けるほど木をつつく
……前略……

 彼らは1秒間に20回の猛スピードで木をつつき、穴をうがちます。
その衝撃は交通事故レベルともいわれ、キツツキが脳震盪を起こさないのはなぜか、興味をそそられます。
木とくちばしの接触時間が1000分の1秒と短くて衝撃が少ない、脳が頭蓋骨にピタリと収まって揺れにくい、頭蓋骨の一部がスポンジ状なので衝撃が分散される、顎や首のマッチョな筋肉が衝撃を受けとめて緩和する、などがその理由とされています。
 しかし最近、キツツキの脳は、やはり衝撃による損傷を受けているという研究が発表されました。
「タウタンパク質」という、アルツハイマー型認知症の主要原因物質ではないかといわれる物質が、ほかの鳥より多く溜っているというのです。
それでもなお、つつき続ける彼らは、ジョーやロッキー並みのファイターなのです。
(『トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ』川上和人 マツダユカ他 西東社 2018年)

次に転記する準備ができるまでしばらく休憩します(^^ゞ