2022年9月29日木曜日

曇り空

曇り空で蒸し暑かった。
台風やハリケーンが人々の生活を脅かしている…

静岡市清水区 9000世帯余断水 2万5000世帯飲用不可」(静岡NHK)

高潮3.6メートルの地域も、180万戸超が停電 ハリケーン襲来の米フロリダ州」(CNN)
 ヤブミョウガの果実が並んでいるのを見て、六波羅蜜寺の「空也上人立像」を思い出しました。

空也(くうや)<こうや>とも。
 903(延喜3)-972(天禄) 平安中期の念仏聖(ひじり)
名を光勝といい、<市聖(いちひじり)><阿弥陀聖>などと呼ばれた。
醍醐天皇の第5皇子とも伝えられる。
はじめ在俗の修行者として諸国を遊行(ゆぎょう)遍歴した。
阿弥陀仏の名を唱えながら、各地で道を拓き、井戸や池を掘り、橋を架け、野原に遺棄された死骸を火葬にした。
…後略…
(『岩波仏教辞典(旧版)』中村元他編 岩波書店 1989年)
今、ウクライナでは、ロシア軍によってどれだけ多くの人々が殺されているのだろう…

ロシア 「住民投票」結果もとに一方的な併合へ 侵攻も続くか〟(NHK)
「侵攻」でなくて「侵略」。
そしてかつての日本軍のように「満州」と同じ傀儡国家(領土)をウクライナに樹立しようとしている。
ウクライナ軍が奪還しようとしたら、侵略だとこじつけるのだろう。
そうなれば第3次世界大戦が勃発するかもしれない。
おわりに――2020年代を見通す
 プーチン・システムの今後


 ロシアは思想の国として知られ、この点は軍事の領域においても同様である。
本書で描いてきたように、兵力や技術力で劣勢に陥っても、ロシアの軍事思想家たちの発想力だけは衰えることなく、むしろ逆境を克服するためにその創造性を研ぎ澄ませてきた。
(『現代ロシアの軍事戦略』小泉悠 ちくま新書 2021年)
 では今後、以上で見たようなロシアの軍事戦略はどのように発展していくのだろうか。
この問いに明確な答えを出すことはもとより簡単ではないが、一つの鍵となるのは、ロシアという国家自体の先行きであろう。
 本書の執筆作業は主に2020年の後半から2021年初頭にかけて行われたが、この間の2020年7月にはロシア憲法改正という大きな出来事があった。
この改正では、プーチン大統領が2024年の任期切れ後にも改めて大統領選に出馬して、最長で2036年までその座に留まることが可能となる一方、不逮捕特権を持つ「国父(こくふ)」として院政を敷く道も開かれた。
実際にプーチン大統領がそのいずれを選択するのかは、おそらく任期切れの直前まで明らかにされないだろうが、何らかの形でプーチン・システムを長期にわたって存続させようとしていることだけは明らかであると思われる。
 プーチン・システムという言葉にはっきりとした定義はないが、2000年代以降にプーチン大統領を中心として築き上げられてきた政治・経済体制という意味でここでは用いている。
この「システム」は、2000年代には非常に大きな成功を収めた。
ソ連崩壊による深刻な政治・経済的混乱、生活不安、国際的な地位の失墜などが相次いだ1990年代と比較すると、2000年代のプーチン政権下では経済が好調な伸びを示し、行政サービスや社会インフラも年々目に見える形で改善されていった。
 凋落する一方と見られていたロシアの国際的な影響力も回復したし、新たな連邦分裂の危機をもたらしたチェチェンの反乱も鎮圧された。
プーチン大統領についていけば、ロシア人は安心して、誇りを持って暮らしていけるのだという希望をプーチン・システムは与えたのだと言えよう。
その間、情報機関による国民監視やマスコミの国家統制、NGOに対する弾圧などは強まっていったが、それに対する反発が大きな広がりを持つことはなかった。
 しかし、2010年代に入ってから経済成長が鈍化し、2014年のウクライナ危機以降には西側との政治・軍事的対立が先鋭化すると、そこに変化が生まれる。
2011年の下院選における選挙不正疑惑をきっかけに大規模な反政府デモが度々発生するようになり、プーチン大統領の支持率も低下傾向をたどった。
依然としてプーチン大統領のリーダーシップに対する信頼感、あるいは他に適当な指導者が見当たらないとの理由による消極的支持はかなりの規模で残存しているが、2000年代のような権力と国民の蜜月はほぼ瓦解している。
 2021年1月、ロシア当局に毒殺されかかった野党活動家アレクセイ・ナヴァリヌイが療養先のドイツから帰国した直後に拘束され、これに対して2011~12年の反不正選挙デモ以来となる大規模な抗議運動がロシア全土で盛り上がったことは、プーチン・システムの弛緩が依然として進んでいることを窺わせる。
 プーチン大統領の権力基盤であったエネルギー資源についても、長期にわたって価格の低止まりが続いており、結果的には世界経済の成長ペースを下回る低成長しか実現できていない。
米中が覇権争いを繰り広げる最先端科学技術の進展にもロシアは付いていけておらず、このままではロシアの国際的地位は地盤沈下のように徐々に低下していくことになろう。
(『現代ロシアの軍事戦略』小泉悠 ちくま新書 2021年)

プーチン大統領が、ウクライナへの侵略で成果を上げなければ、
自分の地位ばかりか命の危険もあると考えているのかもしれない。
なりふり構わずに核攻撃を含めて軍事行動を起こすこともありうるだろうな…
今朝の父の一枚です(^^)/
アゲハが蜜を吸いに来ているけど、受粉して実がなる?

 ヒガンバナ Lycoris radiata

…前略…

 野生植物が分布を広めるには、原則として種子を飛び散らせることによるが、不思議なことにヒガンバナは不生女(うまずめ)植物で種子がならない不稔性(ふねんせい)植物。
球根ではよく殖えるが、自然状態では、いくら殖えたとしてもいつも同じ場所の土の中で、移動はできない。
ところが、実際には東北南部まで広がっている。
昔は、このことが一つの謎とされていたが、その後、何と人手によって分布が広がったということが解った。
人々が引っ越しをするたびに、この球根を持って行き、新居近くの田圃の畦や土手に植えたのである。
野生地を見ると、人里近くに多いのはそのためだ。
ということは、人々の生活に何か役立つことがあるに違いない。
この球根は浮腫(むく)み取りなど、薬用として用いることもあるが、良質の澱粉を多量に含んでいて、飢饉の多かった昔、いざという時の救荒食糧としてこの澱粉を利用したという。
ところが、この球根にはリコリンというアルカロイドが含まれるため、かなり毒性の強い有毒植物である。
が、澱粉には毒性がない。
昔の人は、この有毒な球根から、無毒の澱粉だけを取り出す工夫をしたようあ。
これには中毒を起こした人もかなりあったであろう。
そこまでする必要があるほど、昔の人たちの生活は厳しかったわけである。
…後略…
(『柳宗民の雑草ノオト』 毎日新聞社 2002年)