2022年9月12日月曜日

残暑というよりは…

朝夕は、涼しいけど日射しがさすとグングン気温が上がる(-_-;)
日中の暑さは残暑というより猛暑だなぁ
公園で、彼岸を過ぎても暑さは続くでしょうねと話していました。

近畿 この夏は過去3番目の暑さ 9月も厳しい残暑続く見込み」(関西NHK)
 〝知事「県民の民意は変わらない」と 政府に移設断念求める考え〟(沖縄NHK)

“辺野古移設が解決策 着実に進める” 沖縄知事選受け官房長官」(NHK)

政府の考えは変わらないそうですが
Q24 辺野古新基地の建設予定地の軟弱地盤と活断層の問題について教えてください」(沖縄県知事公室 基地対策課

沖縄・辺野古で進む「既成事実化」 3割近く陸地化というけど、軟弱地盤で……〟(東京新聞 2022年1月11日)

国に刃向かっても無駄だと言う人がいるでしょうが、いくらでも工期は延び、経費は膨らむ。
完成したとしても維持するのに改修工事が必要になると思う。
国の愚策が沖縄県民だけでなく、国家予算をどんどん食いつぶしていくと思います。
この調子では、彼岸を過ぎても涼しくなりそうにないですね…
杉浦日向子さんの本を紹介しますが、イラストが楽しいです。
そして、イラストの中にいっぱい情報が入っているので、ぜひ、本をご覧ください。

  おバケづくし

「暑さ寒さも彼岸まで」とは言うものの、彼岸すぎてもドッと蒸し暑い日が続いております。
 真夏のギンギラした時期に、海よ山よと体力を使い切った体には、この残暑が、ことのほか恨めしく感じられるものです。
 蟬(せみ)の声も聞き飽きて、日焼けした体をグッタリと横たえて「早く秋にならないかなァ」なんてボヤクのはやめて、〝怪談会〟など催してみてはいかがでしょうか。
(『一日江戸人』杉浦日向子 新潮文庫 平成17年)
〝怪談〟とは言っても、オバケの扮装(ふんそう)をするのじゃありません。
仲間で集まって、コワイ話を順ぐりに語っていくのです。
題して「百物語」。
 二百六十年の伝統ある天然クーラーは効き目バツグンです。
「百物語」とは、コワイお話を百話すると、本当の怪が現れる、という恐ろしい催しです。
 古典的な方法は、百本の灯心を、話ごとに一本ずつ引き抜いていって、百話目に最後の一本を抜いたとたん、真の闇(やみ)となり、何か出る……らしいのですが、ふつうは九十九話でやめて、安全策をとります。
 話は、体験談でなくて聞きかじりでも、でっちあげ話でもかまいません。
怪しい話が数多く集まる所には、おのずと怪しげな雰囲気が生まれてるのだそうです。
(後々ゾッとすることのないように、やる時は、九十九話でやめましょう)
 現代では「百物語」をやると、百パーセント近くが〝幽霊話〟になるでしょうが、江戸のころは、ユーレイよりも〝不思議話〟が主流でした。
『四谷怪談』のお岩さんのような、〝うらめしやタイプ〟は、むしろ新しく、古来からの怪談は、因果応報というような由来のはっきりすものでなく、説明のつかない怪異や不気味さが多く語られました。
 たとえば、各地に〝七不思議〟といわれるものがありますが、それらは、人間の恨みや執念などとは無関係の不思議となっています。
江戸の「百物語」も、おおむねこのような話で進められました。
そして主役は、いつでも、狐狸妖怪(こりようかい)が幽霊よりも、ハバをきかせていました。
 これを無知の迷信と努々(ゆめゆめ)笑うなかれ、であります。
 幕末の名医で自然科学のオーソリティーでもあった桂川甫賢(かつらがわほけん)が自宅に訪れる狸(たぬき)のことを語り残しています。

  毎晩人が寝しずまってから、調べものなどをしていますと、トントントンと戸をたたくものがございます。
 「たぬか、はいれ」と申しますと、戸がスウッとあきます。何かこちらの都合で「おまち、まだいけないよ」と叱(しか)りますと、決してはいりません。ときにはたぬの方でいたずらをして、「この夜更(よふ)けに何をしておるか」と、将軍の声色をつかうこともあります。これには弱ります。(『名ごりの夢』より)

 少し昔までは、異界がこんなにも身近だったんだなあ、と思いますね。
(『一日江戸人』杉浦日向子 新潮文庫 平成17年)
杉浦日向子さんの漫画『百物語』より「狸の僧の話」の吹き出しとト書きなどを転記します( ..)φ

百物語 其ノ五
 狸の僧の話


 商用で板橋宿に泊った折のこと……

 ジャーン ジャーン カッ カッ

・コレハ めづらしい。
 このあたりの葬礼では鼓を打つのかえ?
・いえ、あれは仏(ほとけ)が人ではないからでございます。
・というと?
・狸にござりますよ。
(『百物語』杉浦日向子 新潮文庫 平成7年)
・――ひと月ほど前 鎌倉建長寺の畳替えの勧進と称して、旅僧がこの宿に流れて来ましてな
 それが実は 狸で
 彼も狸という事を隠したりせず、
 皆も狸と知りつつ尋常に付き合ってやったので
 たいそう喜び、旅人相手に勧進をしながら
 逗留しておりましたが、
 先日、犬に嚙まれてふと死にました。
・したが狸の化けたのをどう見分けるのかの?

・見たところは 常の人と 変わりませんが
 言葉尻がはっきりしない…
 ことに話に熱が入ってくると
 ×××
 △△△
 ◎◎!
 まるで要領を得なくなる
・街道口の鳥海屋に 狸の揮毫(きごう)した 絵があります。
 ごらんになると よろしゅう ございますよ。

・こちらで ございます。

絵は呵々(かか)大笑している 布袋(ほてい)図だった。
宿の亭主によれば 狸の勧進した 
金三十両と 銭五貫二百文で
建長寺の畳替えは 無事済んだという。
(『百物語』杉浦日向子 新潮文庫 平成7年)

ちなみに「其ノ九十九 杢兵衛の孫の話」で終わっています。
今朝の父の一枚です(^^)/
彼岸花が一斉に咲き出しました。

 曼殊沙華(まんじゅしゃげ)

 秋、各地の土手や田の畦(あぜ)などに真っ赤に群がって咲くヒガンバナ科の多年草。
冬から春先には青々としていた葉は枯れてなくなり、9月ごろ天から落下して地面に突き刺さったような40センチほどの緑の花茎(かけい)の先に、蕊(しべ)を長く張った真紅の花が咲く。
秋彼岸のころに咲き彼岸が過ぎると消えてしまうので<彼岸花>の別名がある。
陶芸家の河井寛次郎は「曼殊沙華は田の畔(くろ)の石地蔵が好きだ。むらがり寄ってお祭りする。この花は又墓場も好きだ」(「雑草雑記」)と書いていて、「死人花(しびとばな)」「幽霊花」などと不吉な異名がある。
秋の季語。
  曼殊沙華不思議な茎のみどりかな  長谷川双魚
(『花のことば辞典 四季を愉しむ』倉嶋厚監修、宇田川眞人編著 講談社学術文庫 2019年)