2021年7月12日月曜日

気分が悪くなる暑さだけど…

今朝も蒸し暑さで気分が悪くなりそうでした。
かといって家でジッとしていると体が弱るので無理のない程度に歩きました。
途中で雑草のようになっているマルバハッカ(アップルミント)の葉を一枚、もんで香りを楽しみました。
捨てるのももったいないのでマスクに入れるといい香り(^_^)v
帰ってきてから眼科を受診。
読んでいたのは『原民喜戦後全小説

梯久美子さんの『原民喜 死と愛と孤独の肖像』を読んでいなかったら
民喜の魅力だけでなく、貞恵さんが亡くなってからも民喜を支え続けたことに気づいていなかったと思います。

待合室で順番を待っていると、なんか気分が悪くなりました。
困ったなぁと思っていると突然、外が暗くなり、烈しい雨が降っているのが見えました。
気圧が低くなって気分が悪くなったようです。
(心臓の機能が低いので気圧によって気分が悪くなります)
  華 燭

 それから間もなく自動車は駿二の家の前に停まつた。
老婆や嫂や中学生の弟達がみんな珍しさうに花嫁を出迎へた。
どういふものか駿二の嫁は家へ上つてからも、ぢつと淋しさうに口をきかず俯向いてゐるので、間もなく人々は退散し、駿二と彼女だけが応接室に残された。
(『定本原民喜全集Ⅰ』編集委員 山本健吉・長光太・佐々木基一 青土社 1978年)
大きなテーブルを隔てて、無言のまま腰掛けてゐると、駿二は段々気まりが悪くなつて来た。
早く何とか云はなければ、一生ものが云へなくなるかもしれない。
それなのに相手は相変らず眼を伏して、高島田の首を重さうに縮めてゐる。
ああして相手はぢつとこちらを観察してゐるのかもしれないし、腹の中でもうそろそろ侮りだしたのだらうと、駿二は気が気でなかつた。
火の中、水の中だと、駿二は踵で自分の足を蹴りながら、
「オイ!」と呶鳴つた。
あんまり大きな声だつたので自分ながら喫驚したが、もうどうなりとなれと思つた。
「君は何といふ名前だ?」
 その瞬間、阿呆なことを聞く奴と腹の中で思つたが、花嫁は黙々と顔をあげて彼の方を見るばかりだつた。
駿二はまた気が気でなかつた。
よろしい、それならば格闘だ。
「オイ!」と、今度は前よりもつと大声で呶鳴つた。
「何とか云へ! 何とか!」
 花嫁は猶も平然として駿二を眺めてゐたが、やがて紅唇をひらいて、
「なんですか! おたんちん!」
 と、奇妙な一言を発した。
  おたんちん、それは今日はじめて聞く言葉であつて、どういふ意味なのか駿二にはわからなかつたが、ああ、遂に自分はおたんちんといふものなのかなあ、と、駿二はキヨトンとした顔で、怒れる花嫁をうち眺めた。
(『定本原民喜全集Ⅰ』編集委員 山本健吉・長光太・佐々木基一 青土社 1978年)
今朝の父の一枚です(^_^)v
カルガモの子どもは、もうここから飛び立ってもいいと思うのだけど…

国立公文書館のTwitterに

明治19年(1886)7月、東経135度の時刻を日本の標準時とすることが定められました。
公文類聚では、もし東京を基準とすると、国際的に中途半端な時間となるだけではなく、
西端(沖縄周辺)では実際の時間と1時間程度ずれてしまうとし、東経135度を用いるべきとしています。

(「今若し東京…」の画像)