2021年7月1日木曜日

今日から7月…

 

5時前に外を見ると雨で風も強かったので無理かなと思ったのですが
次第に小雨になり風もましになったので出かけました。

 平川克美さんのTwitterに

折々のことば復活の第一弾は佐々木幹郎さんの「わたしはどう生きるか、これから、という切実な、未来に対する畏怖の思いを抜きにして、言葉は力を持たない」。
わっしー、お帰りなさい。


今日から第一面を見るのが楽しみ(^_^)v
“もう少し遅かったらやばかった” アレルギーとワクチン接種」(NHK)

ワクチンはまだですが、いろいろな情報が飛び交い不安になりますよね…
今月、主治医の診察を受けて、次の週に接種の予定です。
 岩波書店のTwitter(6月30日)に

【今日の名言】
復讐と恋愛においては、女は男よりも野蛮である。


――ニーチェ/木場深定訳『善悪の彼岸』

今日で芥川龍之介の『藪の中』の転記は終わりますが、
芥川龍之介が参考にした今昔物語集を読むと、女性の描き方が違って面白です。
 藪の中
  巫女
(みこ)の口を借りたる死霊の物語

 ――盗人(ぬすびと)は妻を手ごめにすると、そこへ腰を下したまま、いろいろ妻を慰め出した。
おれはもちろん口は利(き)けない。
体も杉の根に縛られている。
が、おれはその間に、何度も妻へ目くばせをした。
この男の言うことを真(ま)に受けるな、何を言っても嘘と思え、――おれはそんな意味を伝えたいと思った。
しかし妻は悄然(しょうぜん)と笹の落葉に坐ったなり、じっと膝へ目をやっている。
それがどうも盗人の言葉に、聞き入っているように見えるではないか?
おれは妬(ねたま)しさに身悶(みもだ)えをした。
が、盗人はそれからそれへと、巧妙に話を進めている。
一度でも肌身を汚したとなれば、夫との仲も折り合うまい。
そんな夫に連れ添っているより、自分の妻になる気はないか?
自分はいとしいと思えばこそ、大それた真似も働いたのだ、――盗人はとうとう大胆にも、そういう話さえ持ち出した。
(『芥川龍之介全集 第六巻』伊藤 整、吉田精一編 角川書店 昭和43年)
 盗人にこう言われると、妻はうっとりと顔を擡(もた)げた。
おれはまだあの時ほど、美しい妻を見たことがない。
しかしその美しい妻は、現在縛られたおれを前に、何と盗人に返事をしたか?
おれは中有(ちゅうう)に迷っていても、妻の返事を思い出すごとに、瞋恚(しんい)に燃えなかったためしはない。
妻は確かにこう言った、――「ではどこへでもつれて行って下さい」(長き沈黙)
 妻の罪はそれだけではない。
それだけならばこの闇の中に、いまほどおれも苦しみはしまい。
しかし妻は夢のように、盗人に手をとられながら、藪の外へ行こうとすると、たちまち顔色(がんしょく)を失ったなり、杉の根のおれを指した。
「あの人を殺して下さい。わたしはあの人が生きていては、あなたと一しょにはいられません」――妻は気が狂ったように、何度もこう叫び立てた。
「あの人を殺して下さい」――この言葉は嵐のように、今でも遠い闇の底へ、まっ逆様(さかさま)におれを吹き落そうとする。
一度でもこのくらい憎むべき言葉が、人間の口を出たことがあろうか?
一度でもこのくらい呪(のろ)わしい言葉が、人間の耳に触れたことがあろうか?
一度でもこのくらい、――(突然迸<ほとばし>るごとき嘲笑<ちょうしょう>
その言葉を聞いた時は、盗人さえ色を失ってしまった。
「あの人を殺して下さい」――妻はそう叫びながら、盗人の腕に縋(すが)っている。
盗人はじっと妻を見たまま、殺すとも殺さぬとも返事をしない。
――と思うか思わないうちに、妻は竹の落葉の上へ、ただ一蹴りに蹴倒された、(ふたたび、迸るごとき嘲笑)盗人は静かに両腕を組むと、おれの姿へ眼をやった。
「あの女はどうするつもりだ? 殺すか、それとも助けてやるか? 返事はただ頷(うなず)けばよい。殺すか?」
――おれはこの言葉だけでも、盗人の罪を赦(ゆる)してやりたい。(ふたたび、長き沈黙)
  妻はおれがためらううちに、何か一声(ひとこえ)叫ぶが早いか、たちまち藪の奥へ走り出した。
盗人も咄嗟に飛びかかったが、これは袖さえ捉(とら)えなかったらしい。
おれはただ幻(まぼろし)のように、そういう景色を眺めていた。
 盗人は妻が逃げ去った後(のち)、太刀(たち)や弓矢を取り上げると、一箇所だけおれの繩を切った。
「今度はおれの身の上だ」――おれは盗人が藪の外へ、姿を隠してしまう時に、こう呟(つぶや)いたのを覚えている。
その跡はどこも静かだった。
いや、まだ誰かの泣く声がする。
おれは繩を解きながら、じっと耳を澄ませてみた。
が、その声も気がついてみれば、おれ自身の泣いている声だったではないか? (三度<みたび>、長き沈黙)
  おれはやっと杉の根から、疲れ果てた体を起した。
おれの前には妻が落とした、小刀(さすが)が一つ光っている。
おれはそれを手にとると、一突きにおれの胸へ刺した。
何か腥(なまぐさ)い塊(かたまり)がおれの口へこみ上げて来る。
が、苦しみは少しもない。
ただ胸が冷たくなると、一層あたりがしんとしてしまった。
ああ、何という静かさだろう。
この山陰の藪の空には、小鳥一羽囀(さえず)りに来ない。
ただ杉や竹の杪(うら)に、寂しい日影が漂(ただよ)っている。
日影が、――それも次第に薄れて来る。
――もう杉や竹も見えない。
おれはそこに倒れたまま、深い静けさに包まれている。
  その時誰か忍び足に、おれの側へ来たものがある。
おれはそちらを見ようとした。
が、おれのまわりには、いつか薄闇(うすやみ)が立ちこめている。
誰か、――その誰かは見えない手に、そっと胸の小刀を抜いた。
同時におれの口の中には、もう一度血潮が溢れて来る。
おれはそれぎり永久に、中有(ちゅうう)の闇へ沈んでしまった。……
   (大正10年12月)

中有 人の死後、来世の生を未だ受けずに迷っている間。四十九日。

瞋恚 怒りうらむこと。
(『芥川龍之介全集 第六巻』伊藤 整、吉田精一編 角川書店 昭和43年)
今朝の父の一枚です(^_^)v
朝、8時ごろに公園に着きました。
雨が降っていたので、通勤・通学の人たちはいつものようにいましたが
散歩の人はかなり少なかったです。

昼食後、父の画像を印刷しようとしたら印刷エラーでできない(-_-;)
昨日、購入したプリンターで、ドライバーなどをインストールした後、テストページの印刷もできたのに
今日は、そのテストページさえ印刷できないので、メーカーに問い合わせのメールを送りました。
返事は、明日以降だろうなと思っていると5時前には届きました。
対処法が書かれていて、最初の方法を試したけどだめでした。
ブログを更新した後に、別の方法を試して見るつもりですが、ちょっとわからない…(^^;
因みに、もう一台のプリンターでは印刷できるので、パソコンに原因があるとは思えないのだけど…