2021年7月10日土曜日

検査

朝一番に来週、主治医の診察があるので血液検査などを受けてきました。
土曜日は、来院者が普段より少ないので検査もすぐに受けることができます。
待ち時間に読んでいたのが…

世界 2021年8月号

その中に尾身茂さんのことが書かれています。
尾身さんは、貧乏くじを引いたというか、火中の栗を拾っていると思います。

分水嶺Ⅱ コロナ緊急事態と専門家 
 第2回 ――オリンピックへの提言 
河合香織

  最後のルビコン川か

 帰宅後、尾身はぐったりとしながら食卓についた。
新型コロナ対策にあたるようにってから酒は飲んでいない。
コロナを無事乗り切るための願掛けだという。
それに、酒を飲むと体力が奪われるため、少しでも力を温存したかった。
 尾身の腕には、アナログの腕時計とアップルウォッチが巻かれている。
最初は右と左に一本ずつつけていたが、使いににくいため片腕に二本つけるようになった。
アップルウォッチは娘がプレゼントしてくれたものだ。
心身ともに疲労が高まり、今年のはじめ、不整脈で具合が悪くなったことがあった。
自分で脈をとっておかしいと気づくくらいだったという。
脈拍数を測るアプリが体調を見守っている。
 「自分はルビコン川ではなく、もうすぐ三途の川だ」
 尾身は専門家有志の仲間たちにそう冗談を言う。
朝な夕に竹刀(しない)を振り、エレベーターを使わないようにして階段を一段飛ばしで駆け上がる尾身のことを、専門家たちは「驚異的な体力」と称賛していた。
だがその体力も限界に近づいてきた。
……
(『世界 2021年8月号』岩波書店)