2022年7月25日月曜日

そよとも…

青空で風がそよとも吹かない…
風が吹かないと暑さが一層…
動く葉もなくおそろし夏木立(なつこだち) 

烏稀(まれ)に水また遠しせみの声

(『蕪村俳句集』尾形 仂 校注 岩波文庫 1989年)
桜島で噴火 噴火警戒レベル5に引き上げ 33世帯に避難指示」(NHK)

噴火のあとも山体が膨張した状態は続いている」とのこと
ただでも暑いのに火山灰が降ってくる。
鹿児島の人は、火山灰に慣れているだろうけど大変だろうなぁ
コラム[灰に埋もれた日本列島]

 カルデラの大きさは一度の噴火で放出した物質の量を表している。
日本には世界有数の大きさを持つカルデラがいくつもあり、その大きさから過去に極端な規模の噴火を何度もしていることがうかがえる。
 直径が20kmにもおよぶ九州の阿蘇(あそ)カルデラは、特に巨大な噴火を5回起こしていたことが、噴出物の調査からわかっている。
約9万年前に起きた4回目の噴火(Aso-Ⅳ)では、100㎦以上という途方もない量の物質が噴出し、おびただしい量の火砕流が九州北部一円を覆った(一部は海を越えて天草諸島や本州にも達した)。
さらに火山灰は北海道の北端から小笠原諸島にまで堆積した。
日本列島全域が阿蘇山の灰に埋まったことになる。
(『新しい高校地学の教科書』杵島正洋他 講談社ブルーバックス 2006年)
  鹿児島湾は桜島で南北に仕切られ、奥側はきれいな円形をしている。
ここもカルデラで姶良(あいら)カルデラといい、やはり極端な規模の噴火をしたところである。
約2万2000年前の大噴火で膨大な量の火砕流が九州南部一円を埋めてシラス台地を形成し、大量の火山灰が日本中を覆った。
他にも南九州には大きなカルデラを形成するような火山活動がくり返された。
縄文文化が西日本であまり発達しなかったのは、このような激しい噴火の影響も大きかったに違いない。
(『新しい高校地学の教科書』杵島正洋他 講談社ブルーバックス 2006年)
縄文遺跡群が北海道や東北地方に多いのは、火山活動が影響しているようですね。
北海道・北東北の縄文遺跡群 キッズサイト

前から気になっていたのは、保守王国の秋田でむのたけじさんが活動をつづけていたこと
第1章 どうしてこんな国になった
 敵だからこそ「残そう」 
 2015年3月20日

 ヘイトスピーチや過激派組織「イスラム国」(IS)や今の日本の政治状況を見ていると、言っておかないとならないと思うことがあるんです。
その話をさせてください。
 私が秋田県横手市で週刊新聞『たいまつ』を始めて16年たったとき、一人の若者が我が家にやってきた。
秋田出身で、東京で始めた広告会社の仕事で100万円もうかったから、むのさんの本を出したいと。
 それで、あれを書いたんです。
今は岩波現代文庫に入っている『たいまつ十六年』です。
1964年の東京オリンピックの前の年だったな。
 彼がつくった「企画通信社」というのが出版元でね。
売れないだろうと思っていたらえらく評判になって、増刷までした。
(『老記者の伝言 日本で100年、生きてきて』むのたけじ著 朝日文庫 2022年)
 そのときだったんですよ、横手の市長だった佐々木一郎と議長だった斉藤万蔵と商工会幹部だった前沢純治の3人が「むのが本を出したというからお祝いをやってやる」と言ってきた。
 私の週刊新聞『たいまつ』は反体制で、東北の片田舎では「アカだ」と言われていた。
「祝ってやる」と言ってきたのは、町を動かしているボスたちだ。
行政と経済を握っている徹底した保守の権力者たち。
びっくりしちゃったわけよ。
 3人が呼びかけて15人が集まった。
ほかの人も、1人を除いて、オラを敵視していた保守の人間だった。
アカを祝おうとクロばかりが集まって。
  料亭の100畳敷きの大きな座敷でやったんだけど、酒を飲んでへべれけになるだけで祝辞も何もない。
オラは酒飲めないものだからなんだこれはと。
30分もたって座が乱れてきたとき3人の前に行って「あんた方、保守のボスが、頼みもしないのに何で出版祝賀会をやってくれたのよ」と聞いたの。
3人が同じ言葉を言ったんだ。
「『たいまつ』新聞は、町を支配している我らの敵だ。だからつぶすわけにはいかない」って。
おもしろくねか。
敵だ、憎いぞ。
だからそれに負けまいと自分らも頑張らないいけない。
だからつぶすわけにはいかないと言うわけだ。
 たいしたもんでしょ。
結局、『たいまつ』に広告を出してくれたのも彼らだ。
それで新聞は続いた。
 これなんですよ。
これからの世界で大事にしないとならないのは。
敵に学ぶです。
 今は敵だからつぶせ。
意見が違う者は排除しろ、でしょ。
ネット右翼とかブログ炎上とか言いたい放題。
敵から学ぶための道具であった言葉が、人の悪口を言うだけの道具になっている。
言葉がこれまで、そういう無責任な道具であったことはないんだ。
言いたい放題では、言葉を滅ぼすだけではなく人間を滅ぼすんだ。
 今の世界に必要なのは「敵だから残そう」という言葉だな。
これを合言葉にしていこうじゃないの。
(『老記者の伝言 日本で100年、生きてきて』むのたけじ著 朝日文庫 2022年)
今朝の父の一枚です(^^)/
アブラゼミの背の模様が気に入っているようです。

セミは腹で鳴く

 セミも鳴くのはオスだけで、メスを呼ぶために鳴く。
鳴いているオスを見ると、翅をふだんより開き気味にして腹も少し持ち上げている。
またミンミンゼミでは、「ミーンミンミン…」の声に合わせて腹を上げ下げする。
音を出す器官は腹のつけ根にあり、背中側にある発音膜を筋肉で振動させて音を出す。
この音は小さいが、腹にある空洞で共鳴することによって、あの大声になるのだ。
ヒグラシやツクツクボウシのオスを日に透かして見れば、腹の空洞がよくわかるだろう。
セミは種類によって異なった鳴き声で鳴くが、よく聞いていると鳴く時間帯も種類ごとに変えている。
例えばクマゼミは午前中、ツクツクボウシは午後によく鳴く。
しかしアブラゼミのように、数が多い時期には一日中鳴いているセミもいる。
また明け方と夕方によく鳴くヒグラシは、昼までも雷雲で急に暗くなると一斉に鳴き出す。
(『虫のおもしろ私生活』ピッキオ編著 主婦と生活社 1998年)