2022年7月22日金曜日

夜中の雨で…

夜中にかなり雨が降ったことと風が吹いていたので昨日に比べて歩きやすかったです。
クマゼミたちも元気元気…
今は、住宅事情?がいいので上の方で鳴いていました。

関東北部 今夜遅くにかけて局地的に非常に激しい雨のおそれ」(NHK)
大阪 IR 是非問う住民投票条例制定で市民団体が府に直接請求」(関西NHK 7月21日))

条例案は否決される見通し
維新は自信がないのでしょう。
大阪市をなくす住民投票の土壇場で市長が職員を晒しものにしたことで
成立が有力視されていたのに否決されました。
その時のトラウマがあるのだと思います。
維新は、「住民の意見を切り捨てる」政治を数にたよって進める。
NHKスペシャル「海の異変 しのびよる酸性化の脅威」(NHK)

海洋酸性化」によって海の生き物が溶けている。
高校生が海洋酸性化を防ぐアマモを効率よく増やす方法を発見しました。

もう危機的な状況で、何をやってもムダだという意見もあるんですけど
だからといって何もやらないのはおかしい
未来を担っていく私たちが、積極的に行動を起こしていく必要があると思います。


海洋酸性化の知識」(気象庁)

サンゴ礁も消滅の危機にあると言われています。
 サンゴはすごい!

 夏休み真っ最中ですね。
南の海に行かれる方もおられるでしょう。
沖縄にもグアムにもハワイにもサンゴ礁があります。
サンゴ礁の海に一度潜(もぐ)ってみて下さい。
世界観が変わりますよ。
 サンゴ礁の海はものすごくきれいです。
海底は真っ白なサンゴの砂。
水はガラスのように透明で、そこにカラフルな熱帯魚がわんさか泳いでいます。
 大きなシャコガイもいるし、ナマコもいっぱいいる。
イバラカンザシっていうゴカイは、赤・青・黄と、色とりどりのエラをパラソルのように広げています。
ものすごくきれいで、ものすごく生物多様性が高い。
その多様な生物たちの暮らしを支えているのがサンゴの林です。
(『ラジオ深夜便 うたう生物学』本川達雄 集英社 2022年)
 いま、何気なくサンゴの林って言いましたが、サンゴは植物ではありません。
れっきとした動物です。
でも木みたいな形をして動かない。
そんなサンゴがたくさん生えているので、サンゴの林と呼び習わしています。
 サンゴは動物。
クラゲやイソギンチャクの仲間で、みな刺胞(しほう)動物門に属しています。
石みたいなサンゴとふわふわ浮いているクラゲが同じ仲間とは、ちょっと意外でしょ。
 クラゲはお椀のへりからたくさんの細い糸のような触手(しょくしゅ)をぶら下げて、海中に漂(ただよ)っています。
この触手に餌動物が触れると、からめとって食べる。
 こんなクラゲが逆さになって岩にくっついたものがイソギンチャク。
関東の海岸でよく見かけるウメボシイソギンチャクやタテジマイソギンチャクは円筒形の袋状の体をもっていおり、岩にくっついています。
まさに磯の巾着袋(きんちゃくぶくろ)
袋の口を取り巻いて細長い触手が何本も生えています。
これで餌動物を捕まえます。
 イソギンチャクは直径が数センチから、大きなものでは数十センチになりますが、イソギンチャクの直径が数ミリほどの小形になって、それが石のコップをまわりに作ってその中に棲んでいるのがイシサンゴ、ふつうサンゴと略して呼んでいます。
 サンゴは刺胞動物です。
触手の先端にごく小さな毒針発射装置があり、これが刺胞。
細胞の中に入っているカプセル状の細胞小器官が刺胞で、刺激を受けるとカプセルから毒針が飛び出ていきます。
クラゲの中には、カツオノエボシのようにわれわれでも刺されるとひどい目にあうほど強力な刺胞を持つものもおり、この猛毒の刺胞で自分と違わないほど大きい魚までをも捕まえて食べます。
サンゴの場合、それほど毒は強くなく、ずっと小さな動物プラクトンを捕まえます。
 サンゴの一個体(サンゴ虫)は数ミリから数センチ程度のものです。
でもふつう目にするサンゴってもっと大きくて木の枝やテーブルみたいな形をしていますね。
あれはたくさんのサンゴ虫が集まった群体(ぐんたい)です。
サンゴ虫は体を半分に割ったり、体から芽を出したりして自分の複製品(クローン)を作れるんです。
そうやってできた複製品、つまり子供は、体の一部が親とつながったまま。
その子がまた子を作りと、どんどん数が増え、何百匹何千匹にもなる大きな群体になります。
群体が木や葉っぱやテーブルの形をしているのです。
 なぜそんな形をしているのでしょう?
 植物って光合成をしますね。
光を受けて食べものを作り出す。
海の中で光合成をしているのが藻類です。
じつはサンゴの体の中に藻類が棲んでいるのです。
褐色をしているので褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる単細胞の藻類で渦鞭毛藻(うずべんもうそう)の仲間です。
これがサンゴの細胞中にたくさん入っていて光合成をしています。
だからサンゴは半分植物とも言えるんですね。
そしてサンゴが褐虫藻に配慮して、木のような形に自らの群体の形を作っているのです。
 サンゴと褐虫藻は一緒に棲んでいます。
これを共生(きょうせい)していると表現します。
そうするとどちらにも利益があり、こういう関係が相利(そうり)共生です。
 褐虫藻にとっての利益は、①サンゴの作った石づくりのマンションに棲まわせてもらえること。このマンションは刺胞で武装されていますから、安全この上なし。
 ②このマンションには木や葉っぱの形をしているから陽当たりがよく、光合成をするにはうってつけです。
 ③その上サンゴは褐虫藻に肥料をほどこします。
下肥(しもごえ)です。
つまりサンゴの排泄物(はいせつぶ)が肥料になります。
 ではサンゴにとっての利益は何でしょう。
①なんと言っても褐虫藻から、光合成で作った食べものをたっぷりともらえることです。
つまり主食のお米にあたる分が褐虫藻からふんだんにもらえ、足りないの副食であるタンパク質だけ。
これに関してはサンゴが自力でプランクトンを捕まえて補給すればいい。
生活はきわめて楽になります。
 ②さらに楽なことは、褐虫藻が光合成で二酸化炭素を使って酸素を吐き出してくれるから、サンゴは無理して息をしなくても、褐虫藻から酸素をもらえるし、サンゴが吐き出した二酸化炭素はやはり褐虫藻に処理してもらえます。
 ③さらに排泄物も褐虫藻が処理してくれます。
 結局食事も呼吸もトイレも心配ない、いわば「完全介護状態」にサンゴはなれるんですね。
こういう楽ちん生活で余裕があるから、サンゴはどんどん増えていって、サンゴ礁という巨大な構造物を作ることができます。
オーストラリアにはグレートバリアリーフという、2600キロにもわたる大サンゴ礁がありますが、あれは月からも見えるそうです。
生物が作った世界最大の構造物がサンゴ礁なのです。
 こんな偉大なことを可能にしたのがサンゴ礁と褐虫藻の共生です。
共生ってすごいでしょ。
サンゴ礁のさらなるすごいところは、生物多様性の高さです。
なぜサンゴ礁にはこれほどまで多くの生物がいるのでしょう。
 その理由として、まずサンゴがいろいろな動物に棲みかを提供することがあげられます。
サンゴは石の構造物ですから、波で流されることもなく安全です。
そして枝振りが良くてでこぼこしていますから、隠れる場所がいっぱいあるし、いろいろな生息環境があって、そこでいろんな棲み方をする動物が生きていけるようになります。
 その上、サンゴは食べものを提供しているんですよ。
サンゴの分泌する粘液が食べものになります。
サンゴは体の表面を透明な粘液の膜(まく)で覆っています。
粘液の役目は体を清潔に保つこと。
体の表面にゴミが積もると、中の褐虫藻に光が届かなくなりますから、透明な膜を体の上に張っておき、それが汚れてきたら脱ぎ捨てて新しいものに張り替えます。
 粘液のもう一つの役目は体を覆って保護することです。
たとえば干潮で体が空中に出た時には大量の粘液を分泌して干からびないようにしています。
粘液には保湿効果があるんですね。
 この粘液を栄養としてバクテリアが増えます。
それを動物プランクトンが食べ、それを小魚が食べ、小魚をもっと大きい魚が食べと、サンゴ礁の食物連鎖が続いていきます。
 ですからね、サンゴ礁では、サンゴが棲まいも食物も用意してくれてるんですね。
宿泊もレストランもすべてただ、部屋の種類はよりどりみどりのホテルがサンゴ礁。
だから多くの動物が棲んでいるのです。
 このサンゴ礁で今、大きな問題が起きています。
サンゴの白化(はっか)です。
白化とは、褐虫藻がサンゴからいなくなる現象です。
褐虫藻は褐色をしており、それがいなくなるとサンゴが白っぽくなるので白化と呼ばれます。
サンゴから褐虫藻がいなくなると、サンゴは食べものをもらえませんから、白化して二ヶ月ほどで死にます。
 白化の主な原因は温暖化です。
一昨年、昨年と、沖縄をはじめ世界中で大規模な白化が起きました。
夏の水温が例年より一度か二度高い日がひと月ほど続くと、サンゴから褐虫藻がいなくなります。
たったの一度ですよ。
それくらいサンゴと褐虫藻の共生関係はデリケートなんです。
 サンゴは地球温暖化に、ものすごく敏感に反応するんですね。
温暖化の感度良いセンサーだと言っていいでしょう。
だから僕はサンゴ礁を「青いカナリア」と呼んでいます。
昔、炭鉱にはカナリアをかごに入れて持って入りました。
危険なガスが少しでもあると鳴きやんで危険を知らせるからです。
サンゴ礁は青い海ですから、青いカナリア。
このところの異常気象も温暖化が原因だと言われています。
サンゴと褐虫藻のすごい共生関係はとても貴重であり、これが失われないようにしなければいけないと思っています。

♪「サンゴ唱歌」(は、省略します)
(『ラジオ深夜便 うたう生物学』本川達雄 集英社 2022年)

本川達雄のホームページ
今朝の父の一枚です(^^)/
背中に模様があると言っていました。
歌舞伎の隈取(くまどり)みたいですね。

(せみ)

〇盆にセミを捕るものではない(愛知)。
捕ると口がきけなくなる(秋田県平鹿郡)、先祖の祟りがある。
夏病する(愛知)、頭が病める(愛知・奈良)、腹痛を起こす(大阪府三島郡)、瘧(おこり)をふるう(富山・愛知)。
殺すとはやて(疫痢)にかかる(愛知)という。
群馬県北群馬郡では、セミは人間が生まれ変ってきたのだから、盆前には殺すなといい、壱岐でも、盆の仏様がセミに乗ってくる、セミの足に乗ってくる、セミの足に赤い小さいものが付着しているのが仏様だという。
いずれも、盆の頃に鳴くセミを精霊の乗り物とか、魂自身の姿と考えたもので、同様の俗信はトンボにもある。 
(『日本俗信辞典 動物編』鈴木棠三 角川ソフィア文庫 2021年)