2023年3月3日金曜日

桃の節句

気温は低く寒いですが、青空で風がないので日ざしが暖かい。
新暦の3月3日には桃の花は咲きませんが…

雛菓子 雪国のひな祭り~喜びの春の色~ 鶴岡市」(NHKアーカイブス 2013年)
かなんばれ 「家難」をはらう伝統行事〟(長野県北相木村 2019年)

春 三月 弥生(やよい)
 ひなまつり

 悪いものを祓い、身代わりになってくれる人形を飾り、祈りを捧げる日

 ひなまつりは、三月三日にひな人形を飾り、華やかに祝う女の子の行事です。
旧暦で数えれば4月のうららかな日にあたります。
桃の花が咲く時季であることから「桃の節句」とも呼ばれ、古くから日本人の生活の中に根づいてきました。
 大人の女性でも、桃の花を生けたり、ちらし寿司を作ったり、白酒(しろざけ)を嗜(たしな)んだり、「桃の節句」にまつわるしつらいをしたりして楽しむ人も多いことでしょう。
(『鳩居堂の歳時記』広田千悦子著 鳩居堂監修 主婦の友社 平成28年)
 実のところ、桃の節句が現代のような「女の子の祭り」となったのは江戸時代のことで、そんなに古い話ではありません。
 平安時代頃には、身についた罪や穢(けが)れを身代わりの「ひとがた」(形代<かたしろ>)にうつし、川や海に流して厄を祓う風習がありました。
その流れを汲んだのが「流し雛」で、今もさまざまな地域で行われています。
また、小さな御殿などを作り、飾って楽しむ遊びを「ひいな遊び」、女の子の人形遊びを「ひな遊び」と呼びましたが、これらもひなまつりの原型とされています。
この時期に、海で磯遊びをして貝を採り、禊(みそぎ)としていただいたなごりが、ひなまつりに蛤(はまぐり)を食べたり、貝合わせをしたりする起源だとも考えられています。
古くから伝わる「流し雛」や「ひいな遊び」など、さまざまな風習が時を経て合わさり、現代の「ひなまつり」をかたち作っているのです。
(『鳩居堂の歳時記』広田千悦子著 鳩居堂監修 主婦の友社 平成28年)
雛祭りのお菓子と言えば、ひし餅やひなあられが浮ぶのですが…

 草餅(くさもち)

 ゆがいた蓬(よもぎ)などの葉を入れて搗(つ)いた餅(新粉で作るものも含む)。
春の代表菓子として知られるが、それだけで終わらない奥深さがある。
まず、名前にある「草」は現在、蓬が主流だが、昔は母子草ははこぐさ<春の七草の一つ。ゴギョウ)が使われていた。
歴史を振り返ると、蓬餅より母子餅の方が古い呼び名といえ、調べていくと、中国の風習に行きつく。
草の香りが悪いものを祓(はら)うとして、かつて上巳(じょうし)の節句に「黍麴草」(鼠麴草<そきくそう>・母子草)を混ぜた餅を食べる習いがあったという。
この習わしは日本にも伝わり、『日本文徳天皇実録(にほんもんとくてんのうじつろく)』の嘉祥3(850)年に「俗名母子草(中略)毎属三月三日、婦女採之、蒸擣以為伝為歳事」(返り点は省略)とあるように、平安時代前期には宮中歳事に一つになった。
(『事典 和菓子の世界 増補改訂版』中山圭子 岩波書店 2018年)
 平安時代の『和泉式部(いずみしきぶ)集』にも「石蔵(いわくら)より野老(ところ<山芋に一種>)おこせたるてばこ(手箱)に、くさもち(草餅)ひい(入)れてたてまつ(奉)るとて」あり、

  はな(花)のさと心もしらず春のの(野)にいろいろつめるははこもち(母子餅)

の歌が見える。
当時の人々が母子草を摘み、草餅を作る様子なども想像されよう。
 江戸時代になると、上巳の節句は女子の健やかな成長を願い、雛人形を飾る三月三日の雛祭りとして広く祝われるようになる。
(けが)れを祓い、厄を除(よ)ける意から、草餅を食べる風習もかわらず受け継がれた。
そしてしだいに、母子草よりも蓬を使うことが多くなる。
母子草では餅にするとき、字面から母と子を搗き混ぜるようで縁起が悪いためともいわれるが、鳥取や岡山ほかでは、今も蓬や母子草を混ぜるといい、この迷信がどの程度広まっていたのか、わからない。
ちなみに、筆者は母子草で作ったものを試食したことがあるが、香り、味ともに蓬より弱い印象だった。
蓬の入手しやすさやおいしさなど、別の理由を考えてもよさそうだ。
なお、草餅には餅と新粉製があるが、母子草には粘りがあるため、新粉と混ぜ合わせる方が相性が良いという。
 ところで雛祭りの菱餅(ひしもち)は、現在、紅・白・緑が一般的な色合いだが、『守貞謾稿(もりさだまんこう)』(1853)や雛祭りの錦絵を参考にすると、江戸時代には草餅を使い、緑と白の取り合わせで作ることが多かった。
当時草餅はそれだけ重視されていたのだろう。
残念ながら新暦を使う現在では、この時期、蓬があまり手に入らないこともあり、草餅は雛菓子から外れてしまった感がある。
同時に、草餅の厄除けの意味も忘れられてしまったようだ。
 乾燥・冷凍蓬を使えばいつでも作れるのだが、やはり本物の季節の香りを大事にしたいもの。
江戸時代、草餅の呼び名を女房詞(にょうぼうことば<宮中に仕える女官たちが使った言葉>)で「草のつみつみ」があったように自ら摘んだもので味わうのが理想かもしれない。

は糕に同じ、米粉(こめこ)などを蒸し固めたり、押し固めて作る食物を指す。
(『事典 和菓子の世界 増補改訂版』中山圭子 岩波書店 2018年)

和泉式部と母子餅」(虎屋文庫)
今朝の父の一枚です(^^)/
高圧線でカラスが日向ぼっこかな?

2 鳥、電線に止まる
 スズメは中央、カラスは上の端


 スズメとカラスの電線の止まり方についてまとめると、スズメは、高さはとくに選ばないものの、電柱から離れた電線の中央付近によく止まる傾向があり、カラスは、一番上の電線の電柱付近に止まる傾向があるようです(図21<省略>)。
なぜこのような違いが出るのかは、残念ながらわかりません。
今のところ、パターンを見つけただけだからです。
ただし、次のような推測はできます。
 スズメが電線の高さを選ばない理由は、スズメがそもそも町中でいろいろな高さの空間を利用しているからと考えられます。
地面にもしょっちゅう降りて餌を探しますし、植え込みなども利用します。
一方で、広い範囲を活動する場合は、屋根を越えて移動します。
その時々で利用しやすい高さの電線を足場として利用した結果、幅広く使っているように見えるのではないでしょうか。
 そして、スズメが電線の端よりも中央部分をよく使うのは、両側がよく見えるからかもしれません。
スズメのような小鳥にとって、何かに襲われる危険は絶えずあります。
電線の端に止まれば、電柱という柱によって丸い死角が生まれてしまいます。
それを避けているのかもしれません。
…つづく…
(『電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる?』三上修 岩波科学ライブラリ― 2020年)
午後から心臓リハビリ。
新型コロナ感染拡大の前、トレッドミルでの歩行は時速3.5kmから始めて
時速4.5kmまで速度を上げていましたが
マスクをしての歩行では、3.0㎞から始めて4.0kmまでにしています。