2016年9月19日月曜日

眼鏡が曇る…

巻第十一(譬喩) 2835
ま葛延(くずは)ふ小野(をの)の浅茅(あさぢ)を心ゆも人引かめやも我(わ)がなけなくに

葛の延び広がっている小野の浅茅を,本気で人が引き抜いたりするだろうか。
私がいないわけではないのに。
▽浅茅は女の譬え。
その女を他の男に誘惑されるのではないかと心配する男の歌であろう。
(『万葉集(三)』)
朝明の雨の激しさよ花木槿
(『花句集』中村汀女 求龍堂 昭和58年)
 志ん生忌猫の眠りの深きかな
(『俳句で綴る変哲半生記』)

五代目古今亭志ん生(1890(明治23)年6月5日~ 1973(昭和48年)9月21日)
(志ん生忌は9月21日)
マメアサガオ(ヒルガオ科)を撮そうとすると眼鏡が曇る…
オンブバッタの体の大きさが似ているのにカップルかなと思ったら(*´∀`*)
  雨濛々。朝食。床の上に起き返りて庭を眺めると残紅をかすかに着けながら,百日紅が既に黄に染つてゐる。

先づ黄なる百日紅に小雨かな
(『漱石全集第二十三巻』新書判 岩波書店 1957年)
赤とんぼ 
じっとしたまま 
明日どうする

(「寅さん、何考えていたの?~渥美清・心の旅路~」)
村一つ渋柿勝(がち)に見ゆるかな
(『子規句集』)
梨の花が咲いていた(°0°)
今朝も遠くてピントや露出が合わせられなかった(T^T)
ヒタキの仲間なんだけど…
夾竹桃赤く女はみごもってゐた
(『山頭火著作集Ⅱ この道をゆく』大山澄太編/潮文社 昭和47年)
草川のそよりともせぬ曼珠沙華  飯田蛇笏
(『日本の詩歌19』)

萩の花尾花葛花そんな生徒がハイハイという   萩原井泉水
(『日本の詩歌19』)
巻第十(秋の雑歌) 2230
  風を詠める
恋ひつつも稲葉(いなば)かき分け家居(を)れば乏(とも)しくもあらず秋の夕風
 
家人を恋しく思うものの,稲葉をかき分けるような小屋に住んでいると,十分に満足することだ。
秋の夕風の趣に。

風を詠める  秋にのみ見える。すでに秋風の情緒があることになる。
家  収穫時に作る田ぶせ。
乏しくも  珍しく心ひかれる。 
(『万葉集(二)』)

たぶせ【田伏・田廬】
田の中のふせや。田を耕作するために滞在する小屋。
(『岩波古語辞典(旧版)』)
恋の夢獏に食はさじ曼珠沙華
(『鈴木真砂女全句集』)