2016年4月29日金曜日

曇り空で寒い…

今朝は,一枚余分に来て散歩に来ました。
甘い香りが漂っているバイカウツギ
マユミ

 巻第十一 2444
白真弓(しらまゆみ)石辺(いそへ)の山の常磐(ときは)なる命なれやも恋ひつつをらむ
白真弓を射る石辺の山の岩石のような命なら。
こうして恋に苦しみつづけてもいられよう。
・常磐でないから恋に死ぬだろう。
(『万葉集(三)』中西進 講談社文庫 1981年)
 ハコネウツギ(箱根空木)
 成長の早い枝を四方に広げブッシュ状に茂る落葉小高木で,高さ最大5mになる。
枝には白いスポンジ状の髄があり,枯れ枝はしばしば中空となる。
1年目の枝は緑色で広卵形の葉が対生する。
葉はやや厚く,表面に光沢がある。
初夏に枝先や葉腋に数個ずつ花をつける。
花は長さ約3cmの漏斗形で中途で急にくびれて基部は細い。
花色ははじめ白く,のち紅色になり,枝には白から紅色の花が入り交じって咲く。
花色が始終白いもの,紅色のものもあり,

それぞれシロバナハコネウツギ,ベニバナハコネウツギと呼ぶ。
実は長さ約3mmの円筒形で,晩秋に裂けて翼のついた小さな種子を多数散らす。
本来の自生は関東・東海地方の沿海部だが,

栽培品が各地で野生化していまでは自然分布がはっきりしない。
近縁種にニシキウツギ,タニウツギ,ヤブウツギがあり,

ハコネウツギとの間に交雑も生じる。
(『野に咲く花の生態図鑑』多田多恵子 河出書房新社 2012年)
巻第七(挽歌) 1412
我が背子(せこ)をいづち行(ゆ)かめとさき竹のそがひに寝しく今し悔(くや)しも

我が夫はどこへ行くものかと(さき竹の)離ればなれに寝たことが今は悔やまれてならない。
▽夫を亡くした妻の歌。
「さき竹の」は,二つに裂かれた竹が背き離れることから,「そがひ」の枕詞となるか。
(『万葉集(二)』佐竹昭広他校注 岩波文庫 2013年)
藤原定家にちなむ名前でテイカカズラ
天照大神が天の岩屋に隠れた時にも登場するようです。

(あめ)の宇受売(うずめ)の命,
天の香山の天の日影
(ひかげ)(*1)を手次(たすき)に繋けて,
天の真折
(まさき)(*2)を縵(かづら)として,
天の香山の小竹葉
(ささば)を手草(たぐさ)に結(ゆ)ひて
天の石屋戸にうけ伏せて,踏みとどろこし,神懸
(かむがか)りして…(略)…

(*1)高天の原の,ひかげのかずら。
紐状の長い蔓草(つるくさ)であり,「狐の襷(たすき)」と異名があるように,襷にできる。
(*2)高天の原の,まさきかずら。常緑の蔓。
定家葛(ていかかずら)とも蔓正木(つるまさき)とも。生命の木として髪飾りとした。
(『古事記』西宮一民 新潮社 昭和54年)

※「縵」は別の字体でしたが,変換できなかったので他の本を参考にしました。
満開になっていました(*^-^*)
ハリエンジュ
今朝は曇り空なので…
ツバメが低く飛んでいました。
コマツヨイグサ
(みち)たえて香(か)にせまり咲くいばらかな
(『蕪村俳句集』尾形 仂 校注 岩波文庫 1989年)
ノイバラ
マツバウンラン
こんなにヒョロヒョロと背がのびている…
メジロが隠れていました(^。^)
安見子中耳炎
桐の花あまき夜ごとは子に泣かれ
(『石橋秀野の100句を読む』山本安見子著 飯塚書店 2010年)
ヒルザキツキミソウに蟻たちが忙しそうに働いていました。
曇り空で暗い空にもやもやと(*´∀`*)
ナンジャモンジャ
シャリンバイは白い花と思い込んでいたら…
園芸種のベニバナシャリンバイかな(・・?
 放してもらえないので困っていました(*^▽^*)
ノビルにも蟻p(^-^)q
妻のみが働く如し薔薇芽立つ

28年作。
一日中休みなく立働いてゐる妻を嘆称した句である。
やうやく窓をも開けて庭を眺めてゐられるやうな季節になつてみると,
その薔薇の紅い芽立のほとりで妻が立働いてゐるのだ。
私の身体がだんだん調子よくなるに従つて妻は一層いきいきと働くやうだ。
「心配がないからですよ」
といひ乍ら,目立つて肥つてきた。
「ゆるぎなく妻は肥りぬ桃の下」の句のやうに。
(『波郷句自解 無用のことながら』石田波郷 梁塵社 2003年)
人の嘘にて暮らす世に 何(なん)ぞよ燕子(えんし)が実相(じっそう)を談じ顔なる

「実相」は仏語で,我々の経験する生滅無常の相を離れた宇宙万象の真実のすがた。
「人の姿」を「嘘」と見た前歌に対して,
「どうして燕だけが世の実相を語り顔に囀っているのだ」と
人間への不信と燕の仏心とを対照させた禅趣味の小歌。
表現も前半は小歌調,後半は漢詩調である。
(『新訂 閑吟集』浅野健二校注 岩波文庫 1989年)