2021年1月7日木曜日

七草

天気予報を見るとリハビリ散歩をしている途中で雨が降るようだったので
望遠レンズを諦めて、50㎜マクロレンズにしました。
東の空を見ると、ちょっとだけ虹のようになっていました。
でも、西の空が暗くなってきた。
早目に帰ることにして駐車場に向っていると次第に風が強くなり、駐車場に着くと雨が降り出しました。

7日から近畿北部 大雪のおそれ」(えりの気象日記 1月6日)
今朝のEテレ0655の冒頭に

1月7日に食べる「七草粥(ななくさがゆ)」。
邪気をはらい、無病息災
(むびょうそくさい)を祈るものとされていますが、おせち料理で疲れた胃を休め、野菜が不足しがちな冬場にビタミンなどの栄養素を補うという効能もあるのだとか。
食べものの風習には、ちゃんと理由があるんですね。


旧暦の1月7日は2月18日になります。
スーパーなどでは春の七草セットが並べられていますが、田んぼや道端などでは、セリなどはまだまだです。
セリに似たドクゼリがあるので素人判断は危険です(イノシシは見分けることができるようですよ)。

春のおいしい野草」(小学3~6年)

四季の博物誌』より「春の七草」を転記しますφ(..)
2016年に転記したのを見ると、間違いが多いのにビックリしています(^-^;

続いて『したたかな植物たち―あの手この手のマル秘大作戦【秋冬篇】』よりナズナについて転記しますφ(..)
春の七草

 正月7日に七草がゆを祝う習慣は、平安初期に宮中で始まったというが、元来中国にあった正月7日に7種の菜で羹(あつもの<吸い物>)をつくって食べると万病にならぬという伝承と風習を真似たものである。
現在の七草は「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、,ホトケノザ、スズナ、スズシロ、これぞ七草」と歌にあるものをいう。
この歌の原形は室町中期の文献に出ていて、スズシロがミミナシになっている。
長い間に変わってきたものなので、いろいろの説がある。
一般に七草をそろえることは稀で、ナズナで代表させている。
(『四季の博物誌』荒垣秀雄編 朝日文庫 1988年)
 七草は、ある意味では作物と雑草(人里植物を含む)の代表的なものをあげたとみられぬこともない。
雑草といっても、現代のように目の敵(かたき)にして農薬をかけるといったせちがらい状況のもとではなく、いわば作物と雑草共存の形で、われわれの生活に身近な植物をあげているようにも思える。
 セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラは説明不用であろうが、ホトケノザがどの植物に当たるかが問題になる。
和名のホトケノザはシソ科の植物で、食用には向かない。
キク科のタビラコ(コオニタビラコ)であるとする牧野説が妥当であろう。
タビラコは乾いた冬の田んぼに生え、根出葉を採るのだが、似たようなものが多くて、馴れない人にはわかりにくいかもしれない。
スズナはカブとされているが異説が多く、ヨメナ、アザミ、ミズナ(東京でいう京菜)などが当てられる。
スズシロは大根であるが、これにも異説がある。
 現在でも東京などで、七草の前日には八百屋の店頭にナズナやタゼリが並ぶ。
ナズナは実の形が三味線のばちに似ているので三味線草、ぺんぺん草ともいわれるアブラナ科の野草で、これが店頭に現れるのはこの日だけ、栃木、茨城などの近県から入荷する。
江戸時代には正月に薺売り(なずなうり)が街を売り歩いていたらしい。
歌舞伎にも出てくるのである。タゼリは田んぼに自生するずんぐりしたセリをいう。
ふつう売られている長く伸びたセリは、水田で栽培されたものである。
  東京の向島(むこうじま)の百花園では、前から七草を小さい竹かごに植え込んで売っていたが、この頃はこれが広く流行するようになった。
しかし七草は店頭で求めなくても、東京郊外でも田んぼのあるところでは、七草の頃、自分でそろえることができる。
摘み草は古代の食物採取の面影をとどめているものであろう。
  (遠藤善之)
(『四季の博物誌』荒垣秀雄編 朝日文庫 1988年)
ナズナの離れ業

  七草、なずな、ぺんぺん草……。
  人々に親しまれてきた雑草の生涯は、波乱に富んでいる。
  小さく愛らしい雑草に、さらに隠された意外な一面が……。
(『したたかな植物たち―あの手この手のマル秘大作戦【秋冬篇】』多田多恵子 ちくま文庫 2019年)
  七草なずな、ペペンのペン
 
 ぺんぺん草という呼び名で親しまれる小さな草。
アブラナ科の冬一年草で、道端や畑の雑草としておなじみだ。
早春に咲く白い小さな花はよく見れば愛らしく、ナズナ(薺)という名も、愛でる菜という意味の「撫(な)で菜(な)」に由来するという。
民家の屋根が藁ぶきであった時代には、「屋根にぺんぺん草が生える」といえば、斜陽を象徴する慣用句であった。
  一方で、ナズナは春の七草のひとつとして知られ、また薬草として用いられてきた。
春の七草は、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」。
ごぎょうはハハコグサ、はこべらはハコベ、ほとけのざはコオニタビラコ、すずなはカブ、すずしろはダイコンのことである。
 七草としては、冬から早春のまだ花茎(かけい)が立つ前の若い苗を採取する。
地面に広がる葉がバラバラにならぬよう、根元から小鎌かナイフで掻き採るのがコツ。
葉はみずみずしく、鮮やかな緑が目にしみる。
茹でて細かく刻み、数敵の醤油をたらして口に入れると、ふわーっ、すきとおるような香りとほのかな甘みが頭のすみずみまで一気に広がる。
 正月七日の七草粥(ななくさがゆ)もナズナが主役。
ナズナだけを用いる地方もある。
お浸し、ナズナ飯、ごま和えも美味しい。
鉄分を豊富に含み、栄養価も高い。
 七草粥の風習は、もともと平安時代の頃に中国から伝わったもので、その年の無病息災を祈願する意味が込められている。
江戸時代には、古くから農村で行われていた豊作祈願の行事である「鳥追い」とも結びつき、広く庶民に浸透した。
人々は正月が明けると野に出て春の七草を摘み、七日の朝はどの家でも「唐土(とうど)の鳥と日本の鳥と渡らぬ前に七草なずな……」と囃子(はやし)歌を唱えながら七草を叩き刻んだものだった。
今でも農村部や離島にはこうした伝統文化が、細々ではあるが息づいている。
江戸や大阪の町ではナズナ売りが声高に売り歩き、「なずな売り 元はただだと値切られる」(なるほど!)などという川柳も残されている。
 薬用としては、全草を干して利尿、解熱、内臓の止血などに用いる。
中国の一部では食用・薬用として古くから栽培もされている。
 田畑や道端にありふれているナズナも、人里を離れると途端に姿を見かけなくなり、山奥にはまず見ない。
このことから、ナズナは古い時代に農耕文明に付随して中国から渡来した史前帰化植物だと考えられている。
分布は広くヨーロッパに及び、英名はハート形をした実の形から〝シェパーズパース(羊飼いの財布)〟。
学名の種小名 bursa-pastoris も同じ意味のラテン語である。
  風の踊るハート形の実は愛らしい。
ペンペングサの名は、この実の形が三味線のばちに似ていることに由来するといい、昔はシャミセングサとも呼んだ。
この実を、茎に沿うように一皮残して次々に引き下ろし、耳元で振ると、シャラシャラ……、かわいらしい音が響く。
今でもナズナをガラガラ、ネコノピンピンなどと呼ぶ地方もあるが、こうして玩具代わりに遊んだことによるのだろう。
(『したたかな植物たち―あの手この手のマル秘大作戦【秋冬篇】』多田多恵子 ちくま文庫 2019年)
今朝の父の一枚です(^^)v
最近、鳥インフルエンザのニュースが報道されますが

高病原性鳥インフルエンザは、自然界では無害なウイルスが、人間が作った“養鶏場”という高密度で家畜を飼育する状態で、急速に感染を繰り返すうち変異して凶暴化した特別なウイルスです。
(「正しく理解しよう 鳥インフルエンザ」日本野鳥の会 2005年11月)


新型コロナも宿主のコウモリと共存していましたが、人間が侵入(環境破壊)したことで感染し、パンデミックをひき起こしました。
なぜ野生動物からヒトに感染したのか?」(酪農学園大学 2020年5月8日)