2023年1月12日木曜日

春の陽気になるとか…

朝は、霜が降りていて寒かったけど、陽ざしは暖かでした。
今朝のニュースで日中は春の暖かさになると解説していました。
暖かいのだけど、一気に気温が下がると体調管理が…

強烈寒波の到来でロシア-62.1度 "冬将軍"はこの先アジアへ」(森さやか Yahoo!ニュース 1月11日)
  風邪うつしうつされわれら聖家族  伊藤白潮

 幼児イエスと聖母マリアおよび聖ヨセフの三人の家族をキリスト教信者は<聖家族>とよぶ。
そしてすべての家族生活の模範と仰ぐ。
それにあやかりたい<われら聖家族>の実態はどうか。
『新約聖書』に書かれたような崇高なものではない。
一人が風邪を引けば、うつしうつされ仲よく風邪をひく。
これをちゃかして聖家族というのは、庶民のささやかな楽しみというほかない。
おかしみを発揮した一句だ。
 この作者に「お変りもなくてといはれ枯れの中」というフモールのある作もある。
自作を語る言によれば「いのちのほめうた、かなしびの表白をめざし、人間の生きる総量としての作品化をはかる。更に個人の私としては、男のかなしさ、おかしさの本質を掘り下げてゆきたい」という。
  1926~ 千葉県生まれ。「鴫(しぎ)」主宰。
  句集『在家』『游』など。
(『きょうの一句 名句・秀句365日』村上護 新潮文庫 平成17年)
新型コロナの感染拡大前は、家族に風邪をうつされたとかの話題をよくしましたよね…

インタビュー記事の一部を転記します( ..)φ

 医療制度が破壊された三年間
          倉持 仁(インターパーク倉持呼吸器内科院長)

良い対策が生まれにくい構造

危険な状況のまま第八波に突入?

コロナの後遺症の本当の怖さ

 オミクロン株の流行を見て分かったことは、この病気は急性期の病気ではない、後遺症があるということです。
慢性疾患と捉え、感染初期に軽症か重症かだけではなく、後遺症まで見越した上で治療を行い、治療対象を決めなければいけない。
これは医療現場で感じていることですが、そう視点がいまの対策には完全に欠落しています。
(『世界 2023年2月号』岩波書店)
 コロナに感染すると脳の機能が阻害されます。
味覚、嗅覚障害が起きることは初期の頃から明らかになっていましたが、これは鼻が詰まってにおいがしなくなるわけではなく、その他の付随する症状を見ると、脳の機能がスポットに脱落してしまっているのです。
それが嗅覚のところに起こった人は、においがしなくなる。
これは時間が経てば治ってくるのですが、人によっては、もの覚えが悪くなるとか、仕事のパフォーマンスが低下して、以前と同じスピードで仕事ができなくなる。
他にも眠れないとか、大きな意味で脳の障害があります。
それから、一部の人に起こることですが、インフルエンザと違って、筋力がなぜか低下する。
診断した患者さんで、握力が半分以下になってしまった人がいます。
 脳がやられ、筋力が落ち、そして肺の機能が落ちてくる。
この三つが臨床の現場から見えている後遺症の主な病態です。
我々の施設ではそういう体調が悪い人たちについて、そういう面からの評価を行って、どのような機能が低下しているのかに気づいてもらった上で、主にリハビリを行っています。

…中略…
どのような形で終息するのか

 …前略…

 コロナという新しい社会、経済問題となりうる大きな問題を前に、ちぐはぐなまま、手探り状態をずっと三年も続け、きちんとした検証体制さえ整えられないまま、今また、コロナ問題を過小評価し一過性の問題としか捉えず、無謀とも言えるような方向に一貫して進んでしまっているのが問題ではないかと危惧しています。
(2022年12月7日、聞き手・本誌編集部)
(『世界 2023年2月号』岩波書店)
中国 新型コロナ感染者数などのデータ更新されない状態続く」(NHK)

新型コロナ 武漢封鎖から1年 発生源調査 来週にも本格化」(NHK 2021年1月23日)
武漢で感染爆発が起きた時も
中国政府は、発生源は武漢とは限らないという主張を繰り返しているほか、
政府の専門家は海外からウイルスが持ち込まれた可能性も否定できないとしています。


新型ウイルス、昨年12月にイタリアに存在 下水調査で発覚」(BBC 2020年6月22日)
イタリアに新型コロナウイルスが広まったのは、旅行者が運んだとおもうのだけど…

タイ、渡航者へのワクチン証明義務付け撤回」(ロイター 1月9日)
中国および世界的に免疫が十分な水準に達しているため」だそうですが、
タイの医療体制はどうなっているのだろう?
 はじめに

 本書は、感染症の流行という視角から、中国や東アジアの歴史、とく19世紀から20世紀の歴史を読み解く試みです。
 中国や東アジアの歴史のなかで、感染症の衝撃はこれまであまり意識されてきませんでした。
しかし、中国起源のペストがグローバル化し、日本をはじめとする諸外国にも感染が広がり、世界中でさまざまな影響を与えたことがありました。
感染症は、私たちが想像するよりはるかに大きな衝撃を中国や東アジアの歴史に与えてきたのです。
(『感染症の中国史 公衆衛生と東アジア』飯島渉 中公新書 2009年)
 このことは、最近のインフルエンザや2003年のSARS( Severe Acute Respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群)をめぐる状況を見ると、容易に想像がつくのではないでしょうか。
本書で取り上げるのは、ペスト、コレラ、マラリア、日本住血吸虫(じゅうけつきゅうちゅう)病です。
これらは、いずれも原生動物・細菌やウイルスを原因とする感染症です。
 特定の時期に多くの人びとが同時に罹(かか)る感染症のことを疫病(えきびょう)と呼びます。
「疫病の学は、すなわち、人類文化の歴史と密着して、互いに相離るべからざるものなり」という名言があります(富士川游<ふじかわゆう>『日本疾病史』)。
感染症は、社会のあり方と深く関わり、政治・経済・文化に大きな影響を与えてきました。
このことは、感染症の流行を単に医学的な問題としてのみ考えることはできないことを示しています。
 それは、中国でも同様でした。
中国における感染症の流行には、その時々の政治や社会のあり方が色濃く反映されていたのです。
 第Ⅰ章で取り上げるペストは、中国南西部の雲南起源の感染症で、広東省全域での流行を経て、19世紀末、香港での流行をきっかけとしてグローバル化しました。
日本を含む東アジア、ハワイ・北米、さらに東南アジア、インドからアフリカへとその感染は拡大し、世界に大きな衝撃を与えました。
日清戦争の結果、日本の植民地となった台湾でもペストが流行しました。
これはあまり知られていないことですが、ペストの流行が日本の台湾統治のあり方を決定することにもなったのです。
 20世紀初め、中国東北部、当時の呼び方で言えば満州でも大規模なペストの流行がありました。
ペストは、シベリア鉄道や南満州鉄道(満鉄)を通じて広がり、清朝政府はその対策を進めるなかで、諸外国から学者を招き、国際ペスト会議を開催しました。
この会議は、感染症対策のための国際的な取り組みのさきがけとなったのですが、同時に、満州をめぐる列国の覇権競争を反映したものでもありました。
 第Ⅱ章では、ペストの流行への対策が進められるなかで、中国でも公衆衛生が整備されていく過程を取り上げます。
 ここで注目されるのは、中国が公衆衛生を確立するためのモデルとしたのが、日本であったことです。
日本は19世紀半ばから西洋医学に基づいた公衆衛生制度を導入します。
このような制度は国内だけではなく、台湾や満州にも導入されます。
こうしたなかで確立された日本モデルが中国における公衆衛生のモデルとなったのです。
 第Ⅲ章では、中国の歴史に大きく関わった三つの感染症を取り上げます。
 コレラは、インド起源の感染症で、1817年のベンガル地方での流行ののち、瞬(またた)く間に東南アジアから東アジア、また中東からヨーロッパへと広がりました。
コレラは、一体化の進みつつあった19世紀の世界を象徴する感染症のひとつです。
そして、中国では、死因として最も重要な病気になりました。
 マラリアは、熱帯の病気として読者のみなさんもその名前を目にしたことがあるでしょう。
けれども、海外旅行を除けば感染する危険性はほとんどないと考えてはいないでしょうか。
たしかにマラリアは熱帯地域に多い感染症です。
そのため、第二次世界大戦中には、日本軍をはじめ多くの兵士がマラリアで命を落としています。
しかし、その歴史を繙(ひもと)くと、マラリアが日本列島でも流行し、東アジアではとくに中国南部や雲南、台湾、そして沖縄で流行が激しかったことがわかります。
マラリアの流行は、水田耕作に象徴される農業のあり方や人びとのライフスタイルと深い関係にあったからです。
 日本住血吸虫病、おそらく多くのみなさんがこの感染症の名前をはじめて聞いたことと思います。
日本住血吸虫病は、その名の通り、日本の山梨県甲府盆地や九州の筑後川流域、広島県の片山地方などで江戸時代頃から流行していた寄生虫病です。
中国ではその歴史はもっと古く、漢代から広い地域で猛威を振るっていました。
『三国志』の世界、赤壁の戦いで魏(ぎ)の水軍を苦しめたのは日本住血吸虫病だという説もあります。
この感染症の流行もやはり水田開発などの農業と深い関わりがありました。
また、社会主義をめざした中国共産党の政策も左右することになったのです。
それにしても、なぜ、この病気には「日本」という名前が付いているのでしょうか。
日本住血吸虫病は、感染症をめぐる日本と中国の隠された関係を語ってくれるのです。
…つづく…
(『感染症の中国史 公衆衛生と東アジア』飯島渉 中公新書 2009年)