2023年1月15日日曜日

1月15日

雨は止んだけど暗い空でした…
ロウバイが咲きだして甘い香りがしています。

滋賀県近江八幡市の神社でロウバイが見頃」(関西NHK)
高校のクラス会のLINEにO君が地域の「とんど焼き」の画像を送ってくれました。
年神さまの兎です。

それに反応して長野県在住のKさんから

こちらは「三九郎」で藁やその他を高く積上げてテッペンに達磨です

最後に燃やす正月越しのお飾りや諸々を
『♪さんくろヤーイ、さんくろヤイ、爺ちゃんばあちゃん孫連れて〜おだんご焼きに来ておくれぇ〜♪』
って唄いながら子ども達が集めて回るんやけど---なんかカワイイ


Kさんは6番まである長野県歌『信濃の国』を唄えるそうです!Σ(・ω・ノ)ノ!
ええ歌詞やで」とお国自慢をしていました!(*´▽`*)

県歌「信濃の国」の歌詞の意味紹介します〟(北信教育事務所)

道祖神と子どもたち 神奈川県 秦野の小正月」(みちしる 1996年)
 左義長(さぎちょう)

 正月14日の夜または15日の朝に、松飾りの松・竹・注連縄(しめなわ)などを集めて積み上げて焼くのが左義長(「三毬杖」とも書き、「どんどやおほん」<山の井・上>などとはやすので「どんど」ともいう)である。
『徒然草』に「さぎちゃうは、正月(むつき)に打ちたる毬杖(ぎちやう)を、真言院より神泉苑へ出だして焼き上ぐるなり」<180>とあり、鎌倉時代には宮廷行事として類似のことが行われていたことが知られる。
近世には、図(省略)のように積み上げて上に扇や短冊などを付け、周囲で舞ったりした。
この火で餅をあぶって食べると病気にかからないともいい、吉書(書き初め)を焼いて天に上げると、字が上達するともいう。
(『日本古典風俗辞典』室伏信助他、角川ソフィア文庫 2022年)
 その起源については、正月に荒々しい霊魂を追い退けるために行う火祭り、中国の元日に山臊(さんそう<西方の山中に住む異人>)を追い払う爆竹、『徒然草』にあるように三本の毬杖を焼くこと、など諸説あり、不明である。
(『日本古典風俗辞典』室伏信助他、角川ソフィア文庫 2022年)

日本歳時記 7巻 [2] 8/31」(国立国会図書館)

大阪の石切劔箭(いしきりつるぎや)神社では「とんど祭
  小正月行事の原義

 新暦の1月14・15日の小正月は立春前だが、旧暦では、小正月といえば必ず立春後だった。
春の到来を立春でいうなら、小正月は間違いなく春の行事であり、こうした感覚が2月の月遅れの小正月を生んだのである。
(『日本の歳時伝承』小川直之 角川ソフィア文庫 2018年)
 小正月行事には、害鳥を追い払う鳥追いを行なったり、餅花・団子花によって農作物の豊作の姿を表したりする予祝(よしゅく)、綱引きなどによるその年の占い、右に紹介した天筆(てんぴつ)焼きやどんど焼き、また西日本や北陸地方などでいう「左義長(さぎちょう)」のように大きな火を焚(た)いて新しい年の災厄を祓う行事、さらには「かせどり」「やまはげ」などさまざまな名称をもち、異様な姿の者が訪れてくる来訪神行事などがある。
これらの他にも「成木責(なりきぜ)め」といい、柿の木のもとに鉈(なた)を持って行き、「成るか成らぬか、成らぬとぶち伐(き)るぞ」と木を脅すと、脇にいる者が木になり代わって「成ります、成ります」と答える行事、あるいは新婚家庭の家に行き、「祝い棒」などと呼ぶ棒で嫁の尻(しり)を叩いて子宝に恵まれることを願う行事もある。
 小正月行事には多様な内容が含まれるが、これらの原義は豊穣(ほうじょう)や除災、新しい年への祝福という意味である。
立春を過ぎての、わずかに春が体感できるこの時期の小正月行事には、より具体的で、生活に密着した願いが込められているのである。
(『日本の歳時伝承』小川直之 角川ソフィア文庫 2018年)

六郷のカマクラ(国指定重要無形民俗文化財)」(秋田県美郷町観光情報)
『枕草子』第三段に正月15日の行事が書かれています。
現代語訳を転記します( ..)φ

【第三段】

…前略…

 一月十五日は、餅粥(もちがゆ)の節句が行われ、天皇様に粥を献上する。
貴族の家では、この日の小豆粥(あずきがゆ)の調理に使った燃えさしや、かきまぜ棒を、こっそり隠し持って、その家に仕える老若の女房たちが、隙あらば主君筋の人々の腰を打とうとして窺う。
腰を打たれた人には福があると信じられているのだ。
それなのに、打たれまいと用心して、常に後方に注意を払っている様子も面白い。
どうやって不意を衝(つ)いたのか、木で相手の腰を打った時は、してやったりと満足げに笑っているのも、大いばりで誇らしげである。
打たれた人が、「ああ、悔しい、癪にさわる」と思うのも、もっともだ。
(『枕草子 上』清少納言著、島内裕子校訂・訳 ちくま学芸文庫 2017年)
つい去年から、このお屋敷の女君に通うようになった婿君などが、内裏に参上するまでの間、ちょっと所在なげにしているところを、こういう場面に物慣れている古参の女房などが、部屋を覗いて、奥の方から婿君を打とうとして隙を窺っているのを、その前にいる女房たちは、それと察知して笑っている。
打とうとしている者は、「しっ、しっ」と言って、気取られないように合図している。
けれども、婿君は、そんないたずら心も知らぬげに、ゆったりと無防備に座っておられる。
「おや、ここに何か、ごみのようなものが、付いています。お取りしましょう」などと言いながら近寄ってきて、走りざまに腰を打って、さっと逃げてしまうので、そこに居合わせた皆が、大笑いする。
婿君も、まんざらでもない様子で、愛敬のある笑顔である。
婿君がこんなふうに、顔を少し赤らめて、恥ずかしそうに座っているのも、初々(ういうい)しくて良い。
また、お互いばかりか、男性まで打つのは、いったいどういう心算(つもり)なのか。
そもそもこの行事は、女性が子宝に恵まれることを願うのが目的なのに。
こんなふうに、家中で、誰も彼もが、大騒ぎして、打ち合うので、泣いたり、腹を立てたり、打った人を呪って、「何て、ひどい人」などと言ったり、おかしいことばかりである。
けれども、内裏などでさえ、やんごとないお方たちも、今日ばかりは、皆が、無礼講なのである。

…後略…

(『枕草子 上』清少納言著、島内裕子校訂・訳 ちくま学芸文庫 2017年)
今朝の父の一枚です(^^)/
メジロはビワの薬効を知っているのかな(^_-) 

ビワ 枇杷
 大薬王樹
(だいやくおうじゅ)

 ビワは『大般涅槃経(だいはつねはんきょう)』の中で「大薬王樹」とされる薬用植物。
葉は「無憂扇(むゆうせん)」と呼ばれ、生薬(しょうやく)「枇杷葉(びわよう)」として強壮・疲労回復・下痢止め・湿疹・あせも・咳止め・健胃・制ガンなどの薬効があると言われています。
内用外用、まさに「大薬王樹」です。
(『有職植物図鑑』八條忠基 平凡社 2022年)