2021年5月25日火曜日

考えてみると…

ヒンヤリした朝。
晴れているけど風も吹いていたのでウィンドブレーカを着て出かけました。

落雷や激しい突風も 北~西日本 26日にかけ大気不安定 注意を」(NHK)
昨日の0655「たぬくじ3(スリー)」なんですが、
久しぶりに三つ揃って「スポーツ運 アップ!
激しい運動はできませんが、リハビリ散歩を頑張ればいいかなp(^^)q
父は、かかりつけの病院を受診して来週ワクチン接種のことを相談。
父を病院に送った後、自転車で公園に向かいました。
公園で挨拶する人の話を聞くと、予約の方法がうまくできなかったので(スマホの使い方など)、子どもにやってもらったと話していました。
高齢者に対して優しいのは
和歌山県 ワクチン接種率 全国最高 地域に応じた細かな対応」(関西NHK 5月24日)
和歌山県の「背景にあるのは接種にあたる診療所の数の多さ

「先進国のはずなのに」 ワクチン供給遅れに和歌山・仁坂知事がぼやき〟(ABC 関西ニュース 5月11日)
和歌山県では、保健所の機能を維持するように努力されていました。
65歳以上の高齢者接種した人の割合(1回目)」NHK 5月23日時点)
和歌山県17.5% 大阪府4.6%

大阪は、前の知事・市長橋下徹氏の時代から看護師への待遇や病院、保健所の削減をしていたうえに
関西の民放でヨイショしてもらって人気の高い吉村知事や松井市長のように場当たり的な対策で感染拡大を招いてしまっています。
松井市長は、学校現場の声
「学校は混乱極めた」 現職校長、実名で大阪市長を批判〟(朝日新聞 5月20日)
の訴えを聞くどころか
提言した校長を「現場が分かっていない」と決めつけたが、分かっていないのは松井市長かもしれない〟(前屋毅 Yahoo!ニュース 5月24日)
 ここ数日、パソコンの初期化やトロイの木馬騒動があったのだけど
考えてみると、12日のWindowsアップデートの前に古いソフトを削除していました。
もう隠居生活をしているので使うソフトはエクセル(医療費の計算)やブログの画像の処理をするソフトなどに限られています。
削除をしようときっかけは、急に画面が青くなり再起動のメッセージ(ブルースクリーンエラー)がたびたび起きるので、
編集中の記事などがなくなり青くなっていました(-_-;)…
Windows10に対応していないデバイスやソフトが原因かなと思って削除しました。
インストールの失敗が続きシステムファイルチェッカーを実施したところ
Windows リソース保護により、破損したファイルが見つかりましたが、それらの一部は修復できませんでした
などとなったのは、そのことが関係しているのかもしれない。

また、トロイの木馬の警告は、ネットで検索しているときにロボットでなければクリックみたいなのをついクリックしてしまいました。
その後、警告が頻発しました。
現在、使用しているソフト名を語っているので信じそうになりました。
メーカーのサイトに対処方法があります。

マカフィーのロゴが含まれた「コンピュータがウイルスやマルウェアに感染しやすい可能性があります。」などの怪しいメッセージが何度も表示される現象を解消する方法
(「(いぼ) 三」つづき)

 天上の白壁や、キヤベツの玉のやうな形の大きい、擦硝子の電灯を見てゐると、とつぜん、顔いちめんに、だツと何か熱いぬれたものをのせられて、眼も見えなくなつてしまひました。
見てゐた杉作が、をかしかつたのか、ハハハハ、と笑つてゐます。
松吉も笑ひたいのですが、顔がふさがつてゐて笑ふことができません。
人間は顔で笑ふのだといふことがよくわかりました。
顔にのせられたのは蒸しタオルでありました。
(『校定 新美南吉全集 第二巻』大日本図書株式会社 1980年)
 小平さんは、タオルをのけると、太い筆のやうのものでせつけんの泡を松吉の顔にぬり、剃刀(かみそり)で、額(ひたひ)ぎはからそりはじめました。
 松吉はそのとき、小平さんがまだ子供で村にゐた頃、松吉たちによくいたづらをしたことを、また思ひ出しました。
小平さんはよくうしろから、そつときて、人の背中へ手を入れたり、わきの下をくすぐつたりしました。
そして、小さな眼を細くしてにやにや笑つてゐました。
 いまも松吉は、小平さんが、そんないたづらを、はじめるのではないか、とお尻のおちつかぬおもひでした。
ことに小平さんが、松吉の耳をつまんで、二度ばかり、耳の毛をそつたときには、松吉は、てつきり、小平さんが、むかしのいたづらをはじめた、と思ひました。
もうすこしで、クツクツと笑ひ出すところでした。
しかし小平さんの顔を見ますと、まじめな顔をしてゐました。
遊びをしていゐるのではない、仕事をしてゐる大人の顔つきでありました。
  松吉には、小平さんが大人になつたからもう遊ばないといふことがわかりました。
大人は仕事をするのです。
たとへ、人の耳をつまんでそるといふやうな、いたづらみたいなことでも小平さんは、仕事ですから、まじめにするのです。
松吉には、大人になるといふのは、ふざけるのをやめて、まじめになる約束のやうに思はれました。
何となくさみしい感じがしました。
  隅(すみ)の洗面所で、顔を洗ひ、もう一ぺん腰掛けにもどり、顔に、ぬるぬるしたものを塗つてもらふと、松吉の番はすみました。
こんどは弟の杉作がかはつて腰掛けにのぼりました。
 時計を見ると三時四十分でした。
さつきは入口の硝子戸の下までさしてゐたひざしが、今は、上の方に忘れられたやうに、ほんの少しのこつてゐるだけです。
 と、そのとき、入口の戸をガラガラと乱暴にあけて、茶色のジヤケツを着た少年が手提鞄(てさげかばん)を持つてはいつて来ました。
「たゞいまア。」
 克巳でした。
 松吉と杉作はいつぺんにいきかへりました。
「克巳ちやん」といふ言葉が松吉ののどのところまで出て来ました。
しかしそこでとまつてしまひました。
克巳のあまりに町風(まちふう)な様子に対して、じぶんたちの田舎くささがおもひかへされたのでした。
 克巳は、さいしよに松吉を、それから杉作と顔を合はせました。
しかし克巳の眼は知らない人を見るやうに冷淡(れいたん)でした。
俺達が松吉、杉作なことがまだわからなのかな、と松吉は思ひました。
はがゆい感じでした。
  克巳はながくは、そこにゐませんでした。
松吉のうしろの階段をのぼつて二階へあがつてしまひました。
 でもまだ松吉はのぞみを棄(す)てませんでした。
克巳は、ちよつとした用事を二階ですまして、いまに下りてくるだらう、そして俺達と遊んでくれるだらう、と松吉は考へてゐました。
 だが克巳はさつぱり下りて来ませんでした。
 やがて、克巳の友達らしいのが二人、
「克巳くウん。」
といつて外から店にはいつて来ました。
 克巳は二階から下りて来ました。
松吉は胸がわくわくしました。
こんどこそ克巳が松吉たちに何か言つてくれると思つたのです。
 しかし、克巳は松吉には目もくれませんでした。
そして、二人の町の友達を手招(てまね)きして、三人いつしよに、どやどやと二階へあがつてしまひました。
 松吉は、つきおとされたやうに感じました。
じぶんの立つてゐる大地が、白ちやけた寂しいものにかはつてしまひました。
 松吉にはわかりました。
――克巳とつては、田舎で十日ばかり一しよに遊んだ松吉や杉作は、何でもありやしないんだと。
町の克巳の生活には、田舎とちがつていろんなことがあるので、それがあたりまへのことなんだと。
(『校定 新美南吉全集 第二巻』大日本図書株式会社 1980年)

つづく…