2020年1月4日土曜日

もう四日になりました…

(ボタン 冬芽、葉痕

あっという間に正月三が日がすぎ四日になった(^-^;
現役の時は今日が「仕事始め」だったけど、土曜日なので6日月曜日からかな?
昨日は、八坂神社で「平安装束で『かるた始め』」(NHK)があったそうです。
  加留多歌老いて肯(うべな)ふ恋あまた  殿村菟絲子(としこ)

 歌がるたは和歌をもとにしたものである。
和歌百首を選び、各一首を記したものを読み札とし、下(しも)の句だけを記したものを拾い札としてまき散らし、読み札の上の句を読むと下の句の札を取り合う遊びである。
藤原定家が選んだ小倉百人一首が広く用いられ、今も正月の遊びの一つ。
(『きょうの一句 名句・秀句365日』村上護 新潮文庫 平成17年)
 百首のうち四十三首が恋歌である。
すぐ思い出すのは和泉式部の「あらざらむこの世のほかの思ひ出に今一度(ひとたび)の逢ふこともがな」や赤染衛門(あかぞめえもん)の「やすらはで寝なましものをさ夜更(ふ)けてかたぶくまでの月を見しかな」などの歌がある。
作者も若いころは歌かるたに打ち興じたが、歌のこころまでは理解できなかったのだろう。
あとの後悔ではないが、熟年に達して同意できる多くの恋を反芻(はんすう)するかの作。
  1908~2000 東京深川生まれ。「万蕾」創刊主宰。
  句集『絵硝子(ガラス)』『晩緑』など。
(『きょうの一句 名句・秀句365日』村上護 新潮文庫 平成17年)
仕事始めは会社だけでなく、農業、林業、漁業やその他にも仕事始めがあります。
三省堂 年中行事事典(旧版)』より転記しますφ(..)

仕事始め
 年の初めに、実際の仕事の開始に先だって儀礼的に仕事を行うこと。
正月の二日・四日・十一日に集中している。
(『三省堂 年中行事事典(旧版)』
  田中宣一、宮田登 編 三省堂 1999年)
 農業の仕事始め
 田や畑に行って、鍬(くわ)で少し耕して竹や松あるいは譲葉(ゆずりは)などをさす行事でクワイレ・カイレ・イチクワなどの名称で呼んでいる。
鳥取・島根県では田打ち正月とも呼ばれる。
東北地方では農はだでと呼ばれる行事が11日に行われる。
これは農始めの意味で、宮城県では11日に馬屋の肥やしを背負って田に行き、田を少し起こして肥やしをおき、その上に年取りのときに種袋の上に立てた松を立て、明きの方を向いて豊作を祈る。
この松のことを県南地方ではオガンマツ(拝み松)と呼んでいる。
 屋内において、農作業に必要な用具を整えようとする仕事始めもある。
ない初(ぞ)めはその一つで、縄をなう仕事始めである。
神奈川県綾瀬市では2日に車に使う縄を少しなって、宝という字の形にして床の間に供えた。
鳥取県では牛の綱などをなうほかに、年神の草鞋(わらじ)といって草鞋を片方だけ作って年神に供える所がある。
倉吉市では小さいほどよいといって二寸(約6センチ)ほどの草鞋を作る。
また、同県の日南市では草鞋を年神ではなく大黒柱の門松にかけ、これをサンバイサン(田の神)の草鞋と呼んでいる。
この年神の草鞋は隣りの鳥取県でもない初めとして作られている。
ここでは30センチほどの大きなもので、片方だけ作る。
片方だけしか作らないのは、年神は足が1本であると考えられているためである。
ほかにも奈良市付近では、正月三日に仕事始めとしてノデと呼ばれる細い縄をなう。
これはノウデとかノウバなどとも呼ばれ、苗を束ねる藁(わら)のことである。
石川県では藁かちといって臼を伏せ、その上で手杵で藁を打って、1年間の縄や草履を作ることを仕事始めとしている所がある。
 臼に関係する行事は九州地方にもあり、臼の使い始めとして臼起こしという行事が2日に行われる。
大晦日に伏せて休めておいた臼を起こして実際に餅の搗(つ)き始めをする。
またあらかじめ搗いておいた餅を臼に入れて杵の音をさせるだけという所もある。
岡山県では11日が牛の使い始めをする日で、春場とかカケソメなどと呼ばれている。
牛を田にひき出して、サンバイの「さ」の字の形にひく。
  山の仕事始め
 初山・山入りなどと呼ばれ、山に行って適当な木を山の神にみたて、餅や酒などを供えて枝を切ってくる。
全国的に行われているが、鹿児島県大隅地方では山の口明き、薩摩半島では二日山(ふつかやま)、北薩摩地方では若木切りという名で呼ばれている。
同県の出水市では青年が2日の早朝に山へ行って鉈(なた)で若木を伐ってくる。
椎・樫・杉などまっすぐで長いものを伐り、皮をはいで白い肌にし、頂には葉を残す。
これを担いできて、各戸1本ずつ庭に立てる。
これを立ててから鉈の餅という鉈に供えてあった餅を汁にして食べる。
庭に立てた若木は乾いたらツンギといって天井の梁(はり)の上にのせて、叺(かます)を置くのに用いる。
漁業の仕事始め
 船祝いとか船起こしなどと呼ばれている。
一例をあげると、横浜市では、2日朝に主人が四角い籠に大きな鏡餅を1個のせ、その上に少しずつ小さくして三段に餅を積み重ねる。
さらにその上に菱形の餅を三重ね積み、四角の餅4切れをその菱餅の上に置いて船に持っていき、頭つきの魚と大根・人参の膾(なます)を添えて船の艫(とも)のヨコアミの所に置き、それにお神酒(みき)・お散供(<さんぐ> 米)・塩をあげて拝み、その後に船主と乗り子が穴あき銭を投げて祝う。
  その他の仕事始め
 1月2日に新年初めての掃除をすることを掃き初めという。
元日に掃除をすると福をはきだすといって2日にする。
また、縫い初めといって布や紙の袋を縫い、これに米を入れて年神に供える所が各地にある。
鳥取県境港市では米袋のほかにトンドサンの着物といって、紙で小さな着物を4枚縫って年神に供える。
島根県ではやはり縫い初めといって主婦が袋を二つ縫い、それに米を入れてトシトコ様に供えておき、その米は田植えなどの日に炊くという例が多い。
神奈川県では若者の初会合をウタイゾメ(謡い初め)と呼んでいる。
横須賀市では2日に若者たちが集まり、祭の囃し方を決めたり、太鼓のけいこ始めをし、このとき一年中の行事の相談をした。
新年に初めて風呂に入ることを初風呂・初湯などという所がある。
熊本県阿蘇地方では、2日あるいは3日にたてる初風呂のことを若湯と呼び、これに入ると若返るという。
鹿児島県では商い始めとして若塩売りがあるが、これは塩を作っている人々が2日早朝に塩を売ってまわることをいう。
買った家々では、それを床の上に少々供えたり、正月用として用いる。
大工の仕事始めとしては、島根県赤来町では、2日に竹で墨差しを一・二本作り、あとは大工道具の手入れをした。
また同県隠岐地方では、繁盛を祈って打出の小槌という小槌を仕事始めとして作る。
 このほかにも、多くの作業に仕事始めがあり、これを行うことによって、それ以降(多くは翌日以降)本格的な仕事にとりかかることができると考えられている。
  (佐藤)
(『三省堂 年中行事事典(旧版)』
  田中宣一、宮田登 編 三省堂 1999年)