2020年1月29日水曜日

不安定な天気…

午前中は、父の歯科通院に付き添い、午後からやってきました。
天気が回復するかなと思ったけど、歩き出して間もなくポツポツ…
せめてカワヅザクラが咲いているかを確認したいなと見に行くと咲いていた(^^)v
この後、そんなに降ってはいなかったけど
カメラが濡れると困るのでザックに入れて早めに帰りました。
新型肺炎 中国の患者数 『SARS』超えて6000人近くに」(NHK)
新型のコロナウイルスのため対策が手探り状態なので不安になり
中国への批判的な書き込みが増えているようですが、
ワクチン接種などで防げるはずのハシカや風疹への対応が、日本は「後進国」、
公衆衛生上の問題を抱えた発展途上地域並みの扱い」を受けていました。
感染症の世界史 人類と病気の果てしない戦い』(リンク先は角川ソフィア文庫)より
日本はハシカの輸出国?」と「日本は風疹流行ワースト3」を転記しますφ(..)
日本はハシカの輸出国?
「ハシカのようなもの」という慣用句は、最近ではあまり耳にしないが、以前は「恋の病のように若さゆえに一度はハマルもの」といった意味でよく使われた。
このように、ハシカは軽くみられがちだが恐ろしい感染症である。
 衛生状態も医療水準も世界のトップクラスと自負している日本は、ことハシカに関してはワクチン接種率が低い「後進国」というレッテルを国際的にはられてきた。
厚生労働省の研究班は、「国内のハシカはほぼ排除された」とする見解を2013年9月に発表したが、他の先進地域よりも10年以上遅れた排除宣言だった。
(『感染症の世界史 人類と病気の果てしない戦い』石弘之 洋泉社 2014年)
 日本の旅行者がハシカの流行を広げているという批判を物語る、こんな事件があった。
2007年6月、修学旅行でカナダを訪れた東京都内の高校生と教員133人のうち、生徒の一人がハシカにかかりバンクーバーの病院に入院した。
残りは旅行日程を終えて帰国するはずだったが、出国検査で一人に微熱があることが判明し、検査で免疫のない生徒31人の搭乗が拒否されて足止めされた。
 カナダではその10年前に国内で学生247人が集団発生して以来、ワクチン接種に力を入れ、2000年には排除宣言を発表した。
この日本人高校生の事件は、カナダでは大きく報じられ、「苦労してハシカを制圧したのに、国外からの持ち込みを取り締まれ」と、市民から抗議の声も聞かれた。
 この事件を機に、日本の外務省はあわてて30歳未満でハシカの免疫がないとみられる渡航予定者に対し、ワクチンの接種を勧める異例の渡航情報を出した。
ところが、世界保健機関(WHO)によると、2007年だけでカナダ以外に、米国、オーストラリア、台湾などに日本からハシカが「輸出」された。
 米国疾病予防管理センター(CDC)は2008年2月に、日本人の少年が米国にハシカを持ち込んで三次感染まで引き起こしたと公表した。
米国ペンシルバニア州で開かれたリトルリーグ・ワールドシリーズに参加した日本チームの少年(12歳)が、現地でハシカと診断されて隔離されたのが発端だった。
 その後、次々に二次感染が明るみに出た。
会場に来る途中の機内で少年の前列に座っていた女性、空港勤務の男性、試合を見物していた少年とビジネスマン、さらに2週間後にテキサスに飛び火して、男子大学生13人が三次感染した。
わずかな間に3州で計28人に感染し、ハシカウイルスの強力な感染力を改めて思い知らされた。
 CDCが一連のハシカ感染を日本の少年が原因だとしたのは、日本で流行しているハシカのウイルスの遺伝子の型と一致したからだ。
米国でも、ワクチン接種率は95%を超え、2000年にハシカの排除宣言を出しただけに、この流行にショックを受けた。
 同じ年の7月に北海道・洞爺湖(とうやこう)町で開催された「G8主要国首脳会議」(洞爺湖サミット)では、事務局のホームページに「日本からハシカを持ち帰らないように、ワクチンを接種したかを確認し、まだの人は打ってきてください」という異例の注意情報が掲載された。
日本は風疹流行ワースト3
(2012年約2400人、2013年約1万4000人)
 日本の大流行は各国で大きく報じられた。
米国疾病予防管理センター(CDC)は2013年6月に、風疹の流行のつづく日本への渡航注意情報を出した。
ワクチン接種や風疹にかかった経験がない妊婦は、流行が収まるまで渡航を延期するよう勧告した。
この注意情報はリスクの低い順にレベル1から3までの三段階があり、今回はレベル2。
 ついで、カナダ保健省も日本への渡航者への注意を呼びかけた。
いずれも、公衆衛生上の問題を抱えた発展途上地域並みの扱いで、観光立国を目指す日本にとっては屈辱的だった。
 世界保健機関(WHO)は、2014年2月に発表した週間報告で世界的な風疹の流行を取り上げ、日本はポーランドとルーマニアとともに、「風疹流行ワースト3」として名指しされた。
 2013~14年に世界84カ国から発生の報告があったなかで、感染者1000人以上の国は、この3カ国以外にロシア、ウクライナ、インドネシア、南アフリカ、ウガンダ、中国の計9ヵ国だった。
CRSの発生数も、日本はベトナムやザンビアなどにつづいて7番目だった。
先進国では最悪の流行国になった。
 風疹の大流行を受けて、厚生労働省の専門委員会は2014年1月に流行を防止するための指針案をまとめた。
免疫のない成人男性らに予防接種を重点的に働きかけ、東京オリンピックが開かれる2020年までに根絶を目指すことになった。
(『感染症の世界史 人類と病気の果てしない戦い』石弘之 洋泉社 2014年)

・「麻しん排除の維持、風しん排除に向けた国の取り組み」(厚生労働省)

・ 「先天性風疹症候群(CRS)とは」(国立感染症研究所)