2019年5月3日金曜日

憲法記念日

ちょっと暑かったけどまだ風が気持ちいい(*´▽`*)
ガガンボの仲間かな?
翅がまだ伸びきっていないようなので羽化したばかりかも?
今日は「憲法記念日」です。
即位後朝見の儀の天皇陛下のおことば(令和元年5月1日)〟の中で
憲法にのっとり」とのお言葉がありました。
上皇さまも象徴としての役目とはなにかを常々考えてこられました。
生前退位について憲法違反になるという意見がありました。
日本国憲法 第一章 天皇」(衆議院 国会関係法規-日本国憲法)
皇室典範」(宮内庁)
私が学生の頃に参考図書としていた
清宮四郎氏の『法律学全集3 憲法Ⅰ〔新版〕』より
「四 皇位継承の原因」を転記したいと思います。
出版が昭和46年(初版は昭和32年)なので
現在の学説と違うかもしれません。
   第三節 皇位の継承

四 皇位継承の原因

 皇位の継承が、どのような原因にもとづいて行われるかについては、
憲法に別段の規定はない。
そうして、皇室典範における皇位継承の原因に関する規定は、
第四条に、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」とあるだけである。
典範は、皇位継承の原因を天皇の崩御に限っているものと解せられる。
崩御は、客観的事実によって定まり、
これについて特別の認定行為を要しない。
天皇が生前に退位することは、わが歴史上はその例があり、
イギリスなどでは国王の退位が認められ、
立法論としては議論のありうるところで、
現に皇室典範制定のさいに貴族院で論議されたが、
現行法にはなんらの規定もない。
立法論としては賛否両論があり、
その理由については、いろいろ考えられが、
退位を必要とする事態が生ずることは予想せられるところであり、
そのような場合にはむしろ退位を認めることにしたほうが妥当のように思われる。
(『法律学全集3 憲法Ⅰ〔新版〕』清宮四郎 有斐閣 昭和46年)
 賛成論の理由としては、次の諸点が考えられる。
(イ)わが国の歴史をみると譲位が行われた実例がかなりあり、
 外国でも、イギリスなどで国王の退位が認められている。
(ロ)天皇に不治の重患がある場合に退位を認めないのは不合理であり、
 皇嗣について、同じ事由による継承の順序が認められているのと比べて均衡を欠く。
(ハ)人間天皇の自由意志は尊重されるべきである。
(ニ)天皇の道徳的意見による退位の途をふさぐことは、
 国民道徳との関係からも好ましくない。
 これに対し、反対論の理由としては、次の諸点が考えられる。
(イ)わが歴史上の譲位には、
 天皇の意志に反して強要によって行われたことがあり、
 また、譲位後の上皇、法皇が威勢を振ったりしたこともあって、
 弊害をともなう場合がかなり多かった。
(ロ)不治の重患による退位を認めると、
 その口実のもとに退位が問題にされ、
 かえって皇位の安泰がそこなわれるおそれがあり、
 重患の場合は摂政によって解決されるべきである。
 皇嗣の場合との不均衡は、即位の重大性に照らして当然である。
(ハ)退位の自由を認めれば、即位を拒む自由も認めなければならず、
 両者を認めれば、皇位世襲の原則が実現されなくなるおそれがある。
 天皇の自由意志も、
 国家の基本制度としての皇位世襲の原則に優先すべきものではない。
(ニ)道徳的な問題としては、
 最後まで皇位にあってその責任をはたすべきであるということも考えなければならない。
(ホ)象徴としてそれにふさわしい行為のみを担当する天皇の場合は、
 退位の必要の生ずることは、実際にはほとんどなかろう。
(ヘ)自由意志による退位は、
 そのような偽装のもとに行われるおそれがあり、
 また、自由意志による退位を保障する規定を設けることは技術的に困難である。
(ト)法律制定の場合にせよ、具体的の場合にせよ、
 現在の天皇を前にして、退位をとやかくいうのは好ましいことではない。
(チ)もし将来ほんとうに退位を必要とする事態が生じた場合は、
 そのときに、典範を改正し、
 または特則を制定して、臨機の措置をとればいい。
(『法律学全集3 憲法Ⅰ〔新版〕』清宮四郎 有斐閣 昭和46年)

天皇の退位等についての立法府の対応について」(衆議院)
今朝の父の一枚です。
調べると「令が命のもとの字」だそうです。

 令 
レイ・リョウ(リャウ)
みことのり・いいつける・よい・しむ
解説]象形。
深い儀礼用の帽子を被(かぶ)り、
(ひざまず)いて神託(神のお告げ)を受ける人の形。
神の神託として与えられるものを令といい、
「神のおつげ、おつげ」の意味となり、
天子など上位の人の「みことのり、いいつけ、いいつける」の意味となる。
甲骨文字・金文では令を命のの意味に用いており、
令が命のもとの字である。
令は神のお告げを受け、神意に従うことから、
「よい、りっぱ」の意味となり、
また使役の「しむ」の意味に用いて、命と分けて使うようになった。
(『常用字解』白川静 平凡社 2003年)

ラジオ第112回『令和』の時代へ」(ゴット先生の京都古代文字案内)