2020年2月10日月曜日

冬らしい寒さが続いている

寒い朝で指先が冷たく感じます。
でも、気になるニュースがある
南極で18.3度 観測史上最高 世界気象機関」(NHK)
南極半島では過去50年間で気温が約3度上昇しているって大変なことだと思うのだけど
アカデミー賞 韓国の『パラサイト』作品賞 外国語映画受賞は初」(NHK)
快挙ですねp(^^)q
軍事政権下での言論弾圧の時代を知っているので
韓国映画を見ると表現への強い意志を感じ、
圧倒されることがしばしばありました。
最近、ニュースを見るたびにWHO( World Health Organaization )のマークが気になっていました。
検索すると「アスクレピオスの杖」だとか…
世界神話辞典』、『ギリシア神話』、『トルコ・ギリシアの古代文明』を見ると
アスクレーピオス】Asclepios
 ギリシャ神話では医師の保護者であり、アポローンの息子。
病人を治すばかりでなく死者を生き返らせることもある。
この、ハーデース(黄泉の王)に対抗するめったにないような特権を彼が獲得したのは、出生時の環境に由来しているのかもしれない。
湖の妖精コローニスはアポローンによって身ごもったが、無謀にもこっそりと人間の男を恋人にしていた。
この不実を発見して激怒した神は、姉妹の神アルテミスを送って、コローニスを疫病で殺させた。
湖の妖精の火葬の火が薪の上に燃え広がろうとしたとき、アポローンは、胎児のまま自分の息子が焼けてしまうのを哀れんで、母の死体から救いあげた。
こうして、アスクレーピオスは生まれ出た。
(『世界神話辞典』アーサー・コッテル著 佐近司祥子他訳 柏書房 1993年)
 彼はケイローンのもとで癒しの術を学んだ。
ケイローンは、森に住む獣に似たモンスターであるケンタロウス族のなかで、1番の賢者である。
この教育は大成功であった。
あまりに成功したので、ゼウスは、人類が最終的には不死になってしまうのではないかと心配して、雷でアスクレーピオスを殺した。
しかし、アポローンに要求されて、医術の神アスクレーピオスを星たちのあいだに住まわせることにした。
彼の主な神殿はアルゴスの近くのエピダウロスにある。
そこには、彼に仕える蛇がいる。
その蛇は、自分の皮を自分で脱ぐことができる唯一の種類である。
ローマのアスクレーピオス信仰は、紀元前293年に、疫病を避ける目的で、ギリシャから導入されたことにより始まった。
(『世界神話辞典』アーサー・コッテル著 佐近司祥子他訳 柏書房 1993年)
……(略)……
彼女(アルシノエー)とアポローンが交わって、女はアスクレーピオスを生んだ。
しかし一説にはアスクレーピオスの母はレウキッポスの娘アルシノエーではなくて、彼はテッサリアーのプレギュアースの娘コローニスの子であるという。
そてこれによればアポローンはこの女を愛し、直ちに交わったが、彼女は父の意見に反してカイネウスの兄弟イスキュスを好み、彼と交わったという。
アポローンはこれを告げた鴉(からす)を呪って、それまで白かったのを黒くし、女をば殺した。
(『アポロドーロス ギリシア神話』高津春繁訳 岩波文庫 1978年改版)
彼女が焼かれている時に火葬台より嬰児をひき掠(さら)って、ケンタウロスのケイローンの所へ連れて行き、子供は彼の所で育てられる間に医術と狩猟の技とを教えられた。
そして彼は外科医となり、その術を研鑽(けんさん)進歩させて、ある者の死を妨げたのみならず、死者をもよみがえらせた。
アテーナーナよりゴルゴーンの血管から流出した血を得て、左側の血管より流出せる血を人間の破滅に、右側よりのを救済に用い、これによって死者を蘇生させた。
彼によって生きかえったと称せられる幾人かの人々を余は見出したが、これはステーシロコスがその「エリピューレー」中で言うところによれば、カパネウスにリュクールゴス、「ナウパクティカ」の著者の言うところによればヒッポリュトス、パニュアッシスの言によればテュンダレオース、オルペウス教徒の言によればヒュメナイオス、メレーサゴラースの言によればミーノースの子グラウコスである。
ゼウスは人間が彼より治療の術を獲得して互いに助け合いはしまいかと恐れて、彼を雷霆(らいてい)で撃った。
そこでこれを怒ってアポローンはゼウスのために雷霆を造ったキュクロープスらを殺した。
ゼウスは彼をタルタロスへ投げ込もうと思ったが、レートーの乞いによって彼をして一年間人間に仕えることを命じた。
それで彼はペライヘと、ペレースの子アドメートスの所に赴いて彼に仕えて牛飼いとなり、すべての牝牛に双生児を生ませるようにした。
……略……
(『アポロドーロス ギリシア神話』高津春繁訳 岩波文庫 1978年改版)
2 医神のアスクレピエイオン
……略……
 アスクレピオスの神殿と北のコロネードとの間に、高さ1メートルほどの大理石の円柱の一部が置かれている。
ちょうど、飾りのある白い帽子のような恰好をしている。
私はその石柱の断片に近づいて、浮き彫りに特に注意した。
その浮き彫りには、椀のまわりに二匹の蛇がオリーブの小枝と組み合わせて刻まれている。
蛇という動物は一般に神秘的な力をもつものとされ、ゾロアスター教と関係があると考えられるコイン(硬貨)にも蛇の刻まれているものがある。
(『トルコ・ギリシアの古代文明』川島清吉 吉川弘文館 昭和58年)
蛇はオリエント的であってギリシア的でないと考える向きが多いようだが、必ずしもそうでない。
蛇はアスクレピオスの医神と深い関係があるからである。
ギリシアでは神々を動物で象徴することはよくあることで、たとえば、アテナ女神は「フクロウ」(鳥)で象徴し、現にアテネの国立図書館(アテネ大学に向って左の建物)の屋根の両端に、「フクロウ」が飾ってある。
同様に、蛇はアスクレピオス神の象徴とみるべきだと思う。
考えると古代人にとって、病になるのも病がなおるのも、全く神秘的なことと考えられた。
その神秘性を具体的に象徴したのが蛇であるから、患者にとって蛇はアスクレピオスの使者なのである。
つまり、蛇は医薬を司り、神と人間とを媒介する動物である。
 ここペルガモンからは、ガレノス(129年ころ~199年)という大医学者が出現した。
彼は科学的医学の父と呼ばれた大物であるが、彼にまつわる蛇の伝説がある。
ある時、ガレノスの許に患者がやって来て入院治療を乞うたが、その患者が不治であることを見て断った。
患者が大変落胆して帰宅してみると、二匹の蛇が椀の中の水を飲んだり吐き出したりしていた。
患者はその毒液に望みを托して飲んでみたところ、たちまち病が癒った。
ガレノスはその蛇の話を聞いて、これはアスクレピオスの神託であると固く信じ、二匹の蛇をアスクレピオスの使いとして崇敬し、以後、アスクレピオスの象徴として用いるようになったという。
……略……
(『トルコ・ギリシアの古代文明』川島清吉 吉川弘文館 昭和58年)
北原みのり『車内でベビーカーは畳めない』」(AERdot.)
ミソジニー(misogyny)」という言葉を知らなかったけど
北原さんの記事を読んで日本にはびこっているよなと思いました。
出生率が低下していると政治家は嘆くけど
子どもを安心して産めない、育てられない日本では歯止めはかからないだろう。
また、記事の中にある「若い男性」は結婚しても相手にDVを働くだろう。
独身の女性が増えるわけだ…
これが東京オリ・パラで外国の訪問者への「お・も・て・な・し」になるんだろうな…

因みに、京都の市バスで外国からの観光客が降りる時に小銭がないことへの
運転手の態度がひどくて困っていたという投稿を見たことがある。
京都の市バスには暗黙のルールがある
 よく、他府県の人から「京都のバスは難しくて乗り方が分からない」と言われる。
これは①バスの種類がありすぎて路線が複雑すぎる、ということと、②乗り方自体難しくてわからない、からだ。
(『しかけにときめく「京都名庭園」』烏賀陽百合 誠文堂新光社 2019年)
 ①は、京都人もよく分かっていない。
自分が普段乗る路線以外はさっぱり分からないので、尋ねられても答えられない。
大きな交差点になると同じ名前のバス停がそこら中にあり、どこで乗っていいのか分からない。
特に「四条河原町」は地獄だ。
バス停を探してさまようことも多々ある。
 ②は、京都人にしか分からないルールがある。
まず、京都人はバス停で並ばない。
皆、バス停付近でふんわり待つ。
そして、お目当てのバスが来たらサーッとバスの扉を目がけて集まってくる。
これはいろいろな系統のバスがランダムに来るので、並んでも意味がないからだ。
そして、京都の道は狭いので並ぶスペースもない。
自分が乗りたいバスが来たら何となく集まって来るシステムは、よく出来ている。
 乗る順番にも暗黙のルールがあって、完全なる年功序列。
先にバスに乗れるのはお年寄りだ。
このルールを知らないで先に乗ろうとすると、場合によっては入口でもみくちゃになる。
京都はお年寄りファースト、の街なのだ。
 最近はICカードを使えるようになったのでだいぶ精神的に楽になったが、つい最近まで、京都の市バスは現金か回数券しか使えなかった。
運賃はおつりのないように払わないと、運転手に叱られる。
細かいお金がなくて一万円札なんか出そうものなら、とても怒られる。
マイクを使って「誰か一万円を細かくできる人いませんかー?」と聞かれる。
ここで誰も名乗り出てくれないと地獄だ。
この間バスはずっと止まったまま出発しない。
お客さん達からの冷たい視線が背中に集まる。
私はこれを「公開処刑」と呼んでいる。
京都人ならばこれは誰しも経験があり、その恐怖から常に大量の小銭を持ち歩くようになる。
私はいつも回数券を一枚、財布に入れていた。
 暗黙のルールを知らないと、京都の市バスは乗りこなせない。
コツが必要なのだ。
(『しかけにときめく「京都名庭園」』烏賀陽百合 誠文堂新光社 2019年)