2019年3月31日日曜日

風が冷たいけど

冷たい風が吹いているけど青空が気持ちよかったです。
金曜日の夜、急に左耳の耳鳴りがひどくなり
右耳の聞こえも悪くなりました(高音が聞き取れない)。
昨日の朝もあまりよくなっていないので耳鼻科を受診していました。
今朝は、耳鳴りがだいぶ小さくなったので出かけました。
水仙を見ていると美智子さまを思い出します。
昨夜の天皇 運命の物語 第4話「皇后 美智子さま」を見ていました。
悲しみを抱えている人びとに寄り添えるのは
ご自身がいわれなきバッシングを受けて
声まで出なくなる苦しみを乗り越えてこられたからとも思います。

天皇陛下は向日葵ですね。
贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に

天皇陛下が詠んだ『はるかのひまわり』種を手渡し14年、思い遺族に」(神戸新聞)
第26回IBBYニューデリー大会(1998年)基調講演
子供の本を通しての平和―子供時代の読書の思い出―」(宮内庁)
基調講演の中で 、美智子さまが
この話は、その後何度となく、思いがけない時に私の記憶に甦って来ました
と語っておられた
新見南吉の『デンデンムシノ カナシミ』を転記しますφ(..)
なお原文はカタカナ表記ですが、ひらがな表記に変えています。
  でんでんむしの かなしみ

 いつぴきの でんでんむしが ありました。
 ある ひ その でんでんむしは たいへんな ことに きが つきました。
(『校定 新見南吉全集 第四巻』大日本図書株式会社 1980年)
 「わたしは いままで うつかりして いたけれど、
 わたしの せなかの からの なかには かなしみが 
 いつぱい つまつて いるでは ないか」
 この かなしみは どう したら よいでせう。
 でんでんむしは おともだちの でんでんむしの ところに やつて いきました。
 「わたしは もう いきて いられません」
と その でんでんむしは おともだちに いひました。
「なんですか」
と おともだちの でんでんむしは ききました。
「わたしは なんと いふ ふしあはせな ものでせう。
 わたしの せなかの からの なかには 
 かなしみが いつぱい つまつて いるのです」
と はじめの でんでんむしが はなしました。
 すると おともだちの でんでんむしは いひました。
「あなたばかりでは ありません。
 わたしの せなかにも かなしみは いつぱいです。」
 それぢや しかたないと おもつて、
はじめの でんでんむしは、べつの おともだちの ところへ いきました。
 すると その おともだちも いひました。
「あなたばかりぢや ありません。
 わたしの せなかにも かなしみは いつぱいです」
 そこで、はじめの でんでんむしは また べつの おともだちの ところへ いきました。
 かうして、おともだちを じゆんじゆんに だづねて いきましたが、
どの ともだちも おなじ ことを いふので ありました。
 とうとう はじめの でんでんむしは きが つきました。
「かなしみは だれでも もつて いるのだ。
 わたしばかりでは ないのだ。
 わたしは わたしの かなしみを こらへて いかなきや ならない」
 そして、この でんでんむしは もう、
なげくのを やめたので あります。
(『校定 新見南吉全集 第四巻』大日本図書株式会社 1980年)
今朝の父の一枚です。
シジュウカラが桃の花についた悲しみ(虫)をとってくれていましたp(^^)q