2016年10月11日火曜日

秋らしい涼しさ

   はつあきの野

はつあきの野をあるいてゆくと
なつかしげな ぬくとさである
あるときは
よろこびが暑さと化(な)り
やがてまたそのあつさがふととけいだして
こころよいかなしさとなる
こんなにして
けふのぬくとさと遊びながらいつまでもゆく

(『八木重吉全詩集2』)
裏山に野菊龍胆(りんだう)摘みためてふたたび至るゆふべの墓地に  吉野秀雄
(『わが胸の底ひに 吉野秀雄の妻として』吉野登美子/彌生書房 1978年)
ハナグモ(カニグモ科
ピントも露出も…
キビタキの雌というのには…(^^ゞ
新涼の風をめぐみといただきぬ
(『俳句で綴る変哲半生記』)
巻第四(相聞) 695  広河女王(ひろかはのおほきみ)
恋は今は あらじと我れは 思へるを いづくの恋ぞ つかみかかれる

恋の奴(やつ)などもう退散させたと思っていたこの私なのに,
どこの恋がむしゃぶりついてきたのか。
(『萬葉集(一)』)
 榠樝(かりん・くわりん)の実
  花梨の実・唐梨(からなし)・きぼけ・海棠木瓜(かいどうぼけ)・あんらん樹(じゅ)
【解説】中国原産の落葉高木,バラ科。
日本への渡来は古く,主として庭木や盆栽に用いられてきた。
冷涼な気候に適し,耐寒性は抜群といわれる。
五月,淡紅色の五弁花を開く。
果実は倒卵形または楕円形で大きさは10~15センチ。
秋おそく黄色に熟して葉の落ちた枝先にぶらさがる。
香りがよいので籠に盛って姿や芳香をたのしむ。
生食には適さないが,砂糖漬としたり,輪切りにして干したものを咳どめなどにする。
よく似た榲桲(まるめろ)を榠樝と誤る地方があるが,榲桲は果面に密毛があり,榠樝にはこれが無い。

(『カラー図説 日本大歳時記[秋](旧版)』昭和57年)
ニワウメが咲いていた…

芙蓉(ふよう)がしぼみ病人に事無くて今日も  萩原井泉水
(『日本の詩歌19』)
大地にすわるすゝきのひかり
(『山頭火著作集Ⅱ この道をゆく』大山澄太編/潮文社 昭和47年)
ナナホシテントウの黒い模様に微妙な違いがあるみたい…
 コサメビタキが空を見上げていました。
木陰は,肌寒いくらいでしたが
日差しは眩しくて秋だなと思いました(^-^)
 さいうん[彩雲]
太陽や月の近くに浮かぶ雲のふちが,五色に輝いて見える現象だ。
その色は,淡いグリーンや青,ピンクなどで,まるでパステル画を見るように美しい。
古くから,よいことが起こる前兆の雲とされ,
「景雲(けいうん)」「慶雲(けいうん)」「紫雲(しうん)」「瑞雲(ずいうん)」
「五色の雲」「五雲(ごうん)」など,さまざまなよび名が生まれた。
美しい彩雲が出現したため,704年には慶雲,
767年には神護(じんご)慶雲と改元されたこともある。
彩雲は,太陽光や月光が,ごく微細な雲粒で回折されることによって現われる。
雲粒の大きさがまちまちなため,光の曲がり方もさまざまで,
色の模様に一定のパターンが現われない。

(『ヤマケイポケットガイド(25)雲・空』田中達也/山と渓谷社 2001年)