2023年11月19日日曜日

風が吹いていたけど

金曜日は、冷たい雨。
土曜日は、寒風で散歩に出かけると風邪をひくと自粛しました。
今朝は、青空広がって気持ちいい天気でした。
風が吹いていても日ざしがたっぷりあったので、歩いているとポカポカしてきました。
公園には、昨日、一昨日の雨風でかな?
ミカンが落ちていました。
 ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪「国際日本文化研究センター」で
助教の光平有希さんが、
音楽療法は、戦後に西洋の音楽療法を日本が受容して
それから広がっていったというのが、定説になりがちなのですが
実は、医学書の中に音楽療法的記述がすでに江戸期にあったと紹介されていました。

養生訓 巻第二
 養生法としての詠歌・舞踏


 古人は詠歌・舞踏(ぶとう)して血脉を養なふ。
詠歌はうたふ也。
舞踏は手のまひ足のふむ也。
皆心を和らげ、身をうごかし、気をめぐらし、体をやしなふ。
養生の道なり。
今導引(どういん)・按摩(あんま)して気をめぐらすがごとし。
(『養生訓・和俗童子訓』貝原益軒著 石川謙校訂 岩波文庫 1961年)
今朝のNHK短歌 実感的 表現力アップ 「切る」で紹介されていた歌

はじめから
沖縄は沖縄の

ものなるを順(したが)わせ従わせ
(したが)わせ来ぬ
  吉川宏志
大海(おほうみ)
磯もとどろに
よする波
われて砕けて
裂けて散るかも

         源実朝

以前、実朝は、都に憧れた貴族趣味の将軍だと思っていましたが
『金槐和歌集』を読むとそのイメージは間違いだなと思いました。
好きな源実朝の歌に

  慈悲の心を

物いはぬ四方(よも)の獸(けだもの)すらだにもあはれなるかな親の子を思ふ
(『金槐和歌集』源実朝著、斎藤茂吉校訂 1929年)

ガザ地区北部の学校に攻撃 少なくとも50人死亡か 中東メディア」(NHK)

イスラエルは、虐殺を正当化するためにいろんな情報をこれからも発信するでしょう。
12 小
    ちいさきもの、みなうつくしい


 凝縮の美

『枕草子』の「うつくしきもの」(第151段)に「二つ三つばかりなるちごの、いそぎてはひ来る道に、いとちひさき塵のありけるを目ざとに見つけて、いとをかしげなるおよびにとらへて、大人などに見せたる、いとうつくし。」とあり、さらに「雛(ひいな)の調度。蓮(はす)の浮葉のいとちひさきを、池よりとりあげたる、葵(あふい)のいとちひさき、なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし。」という。
(『詩のこころ・美のかたち』杉山平一 講談社現代新書 昭和55年)
 なにも、なにも、というところに、いかにも、小さなものの面白さに不思議に三嘆している感じが出ている。
うつくし、美というより愛(いと)し、可憐という感じであろうが、仔犬、仔猫、子供、小鳥など、みな小さいということだけで、大へんな魅力をもつ。
西欧でも、小さいという言葉には、愛称がついており、我が国の「姫」という語も、小さく美しいという意味である。
 赤ちゃんの手は可愛くうつくしい。
しかし相撲取りの大きい手は、グロテスクであるのは、何故であろうか。
つまり、実物大より、小さくちぢめたとき、我々はそれを美しく感じ、実物大より大きく引きのばされたものを、醜いと思う。

…中略…

 大人の靴をはいてみたり、大人そっくりのしぐさなどをすると、「まあ、可愛い」などの嘆声を発するのも、そこに大人の凝縮をいっそう感ずるからである。
 凝縮は、精神を緊張させる、それが美につながるのである。
 「小さきものよ」

 元来、詩というものは、短歌でも俳句でも、その形式の小さく、凝縮されている故にこそ、詩と呼ばれ愛されるかたちを意味している。
箴言(しんげん)とか、アフォリズムとか、教義とか短いもののもつ弾力と迫力と緊張は、詩のもつ力である。
 そして、詩人もまた、しばしば、小さきものを歌う。
 三好達治は、

  とある朝(あした)、一つの花の花心から
  昨夜(ゆうべ)の雨がこぼれるほど

  小さきもの
  小さきものよ

  お前の眼から お前の睫毛(まつげ)の間から
  この朝(あした) お前の小さな悲しみから

  父の手に
  こぼれて落ちる
  ………(「涙」『艸千里』)

 と、子供の頬におちる一しずくの涙の、小さな美しさと、小さな子供の可憐を、二重うつしにしている。
 三好達治は、さらに、薊(あざみ)の実を

  ああこともなげに、健気な、小さなものの旅立ちよ(「薊の実」『山果集』)

 とも歌っているが、小さきのもとして蟬や小鳥や、昆虫や蝶が、夥しく材料になっている。
小さきが故に、詩人として歌わせているのである。
(『詩のこころ・美のかたち』杉山平一 講談社現代新書 昭和55年)
今朝の父の一枚です(^^)/

 シジュウカラ 生まれた場所にこだわる保守派
 黒の長ネクタイ


 春、クヌギやコナラなどの雑木林を歩くと、樹木のこずえにとまって、〝ツツピー、ツツピー〟と張りのあるいきいきしたシジュウカラの声が聞えてくる。
〝ツツピー、ツツピー〟と鳴くたびに、頭を左右に振るので、ほっぺたの白い斑がフラッシュのように光って印象的である。
ほほの白いシジュウカラのことを、ホオジロと間違えている人がけっこう多いのもそのためだろう。
 スズメよりも小柄で、頬の白い斑のほかに、特徴的なのは胸から腹部にかけてのびる黒い長ネクタイのような縦線である。
この黒の長ネクタイが、オスではメスよりもいくぶん太いので、雌雄の区別も可能である。
 シジュウカラは、森林にも住宅地にも生息しており、都心のビル街でも繁殖していることがある。
新宿や渋谷の雑踏のなかでも、この〝ツツピー、ツツピー〟という響きだけははっきりと聞えてくるのである。
(『都市鳥ウオッチング 平凡な鳥たちの平凡な生活』著:唐沢孝一、絵:薮内正幸 ブルーバックス 1992年)