2023年8月18日金曜日

お盆が過ぎて

お盆が過ぎて、今朝、ひんやりしとしていました。
でも、歩いていると汗が噴き出してくる…( ̄。 ̄;)
今日も、山のエリアは閉鎖中。
ハシボソガラスが水たまりで…
パンでもひたして柔らかくしているのかなと思ったけどどうもセミみたいです。
水にひたしたらセミが柔らかくなると考えたのかな?
NHKスペシャル
新・ドキュメント太平洋戦争1943 国家総力戦の真実 前編

新・ドキュメント太平洋戦争1943 国家総力戦の真実 後編
を見ていて山本五十六長官が乗っていた飛行機がいまだ野ざらしで残っているのにビックリした。
(「山本五十六記念館」には海軍一式陸上攻撃機の左翼部分が展示されている)

政府の日本軍兵士の遺骨収集への熱意のなさや、
沖縄の辺野古基地工事に遺骨の混ざっている土を平気で使うのも無理ないなと思った。
番組の中で山本五十六長官が乗っていた飛行機が米軍の攻撃によって撃墜されたり
輸送船が攻撃されて物資が届かなかったことが報道されていました。
それは日本軍の暗号が米軍によって解読されていたのです。
それも女性たちによって
第2部 「この広大な海域のいたるところで日本は優勢であった」
 第6章 「QはコミュニケーションのQ」

 
   * * *

 海軍の女性たちはミッドウェーの暗号解読に関与しそこねたが、10か月後、太平洋での戦いにおけるもうひとつの重大な暗号解読に巻き込まれ、積極的に参画した。
1943年4月13日、JN-25のチャンネルE-14から一通の通信文が送信された。
宛先は、「ソロモン諸島守備隊、第204航空群、第26航空隊、バラレ島守備隊司令官」である。
暗号解読者はすぐに通信文全体を復号することはできなかったが、解読できた断片から、連合艦隊司令長官、すなわち山本海軍大将その人が4月18日にバラレ島に向かう予定だとわかった。
これは視察を知らせる通信文であると情報士官は判断した。
(『コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち』ライザ・マンディ著、小野木明恵訳、みすず書房 2021年)
 解読の手がかりをつかんだのは太平洋の解読班だったが、ワシントンも急いで解読にかかり、乱数とコードを復元して未解読の穴を埋めていった。
さらに多くの通信文を傍受し、遠方にいる仲間たちとともにすばやく仕事をこなし、成果を分かち合った。
コードの復元にあたった者たちのなかに、ガウチャー出身のフラン・スティーンがいた。
インターアイランド暗号JN-20には山本の近日中の訪問についての「さらなる詳細が含まれ」ており、レィヴンの率いる女性たちもせっせと情報や知見を蓄積していった。
暗号解読者たちは総力をあげて、山本の正確な旅程を割り出すことに成功した。
ソロモン諸島とニューブリテン島にある日本軍の基地を1日で飛び回る予定である。
最終的な翻訳は次のとおりだ。
長官は「○六○○(マルロクマルマル)、中攻(戦闘機6機を附す)にてRR(ラバウル)発。○八○○、RXZ(バラレ)着」、一一○○に出発し一一一○にRXP(ブイン)に着陸。
一四○○、同地を出発し、一五四○ラバウルに帰着。
移動は航空機、駆潜艇も使用。
長官は各地を視察し、傷病兵を慰問の予定。
 これはとてつもない瞬間だった。
敵国のもっとも重要でかけがえのない海軍司令官がいつどこにいるのかをアメリカが正確に把握したのだ。
山本は時間に正確なことで有名だった。
乱数復元の担当者よりもはるかに高い階級にいるミニッツなどの軍上層部が、山本の搭乗機を撃墜するとの決定を下した。
敵の司令官を暗殺するなど軽々しく決断できることではなかったが、そう決着した。
この旅程は山本の「死刑執行令状」に記された署名同然であると、のちに覚え書きに描写されている。
 この作戦は報復作戦(オペレーション・ベンジャンス)と名づけられ、アメリカ陸軍戦闘機ロッキードP-38 16機が4月18日にガダルカナル飛行場を離陸した。
アメリカがベティとよぶ爆撃機に山本が搭乗して、零戦に護衛されて飛行することも把握していた。
アメリカは、日本側の予定航路のブーゲンビル島上空で山本と遭遇するように飛行計画を立てた。
長距離を飛行していたアメリカ機のパイロットたちは、徐々に眠気をおぼえていた。
ブーゲンビル島の白い海岸線が眼下に伸びるころ、ひとりのパイロットが無線封止を解き、「敵機発見、11時の方向!」と叫んだ。
水平線に零戦6機とベティ2機がいる。
日本側は最初、アメリカ機が視界に入っていなかったが、敵機を認めると、護衛の零戦がアメリカ戦闘機の進行を妨害して急襲し、爆撃機を逃がそうと試みた。
目まぐるしい空中戦が繰り広げられ、どの機がどの機を撃墜したのか判然としない状態となった。
だが、ベティ爆撃機1機が木立のなかへと墜落し、もう1機が波間に落ちた。
山本の遺体はブーゲンビル島のジャングルで日本軍によって発見された。
白手袋をはめた手には軍刀が握られていた。
 海軍アネックスにこの知らせがもたされると、喝采がわき起こった。
真珠湾攻撃の立案者が死に、報復ができたのだ。
「そうですね、山本の搭乗機を撃墜した日はお祭り騒ぎでした」と、ボストン生れで、兄弟に先駆けて志願したマートル・オットーは回想する。
「本当にすごいことをしたのだという実感があった。終わりの始まり、というだけでは形容できないほどのことを。撃墜は予測していたけれども、本当に胸の躍る一日だった」
(『コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち』ライザ・マンディ著、小野木明恵訳、みすず書房 2021年)

アメリカでも日本と同様に女性の社会的地位が低かった。
でも、米陸海軍では暗号解読の作業に1万人以上の無名のアメリカ女性が携わっていた。
本の帯に「日本とドイツは女性に敗れた」と書かれています。
一方日本では、
日曜美術館「友よ!我らの美しき野は... 画家・三岸節子と長谷川春子」(7月16日)

BS1「春子と節子 “女流”画家を超えて」(3月7日)
に描かれたように単なる宣伝道具としてしか見ていなかった。

後日、『コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち』についてもう少し紹介したいと思いますが
みすず書房のサイトには〝巻末「解説」(小谷賢)ウェブ公開〟を読むことができます。