出かけた時は、風が冷たく感じるほどでウィンドブレーカーをあわてて着ました。
なのに陽があたると暑い!
一日の内で気温の変化が大きいです…
大型連休が終わり静かな公園の草むらにコヒルガオが咲いていました。
今朝は、一輪だけ見つけましたが、暑くなってくるとあちらこちらで見かけるようになります。「アイヌに対する差別偏見“見聞きしたことある”回答の1割 政府」(NHK)
アイヌの人々に「アイヌ民族衣装のコスプレおばさん」と投稿した議員が公認候補になり
ひめゆりの塔の説明板に関して何の証拠を示すこともなく「歴史の書き換えだ」などと発言する議員が比例区で立候補されるようです。
父は、自民党支持者なので、比例区は、党名でなく候補者名(個人名)を書くようにと言わなくてはならないのだけど、大阪の自民党の候補者は……????昨日、朝刊に紹介されたのが
折々のことば 鷲田清一 3395
軽くありたいという希望は、どの老人にも共通する、いちばん切実なことだと思います。
幸田文
高齢者には食料品の買い出しも重さがこたえる。
白菜一個で手一杯(ていっぱい)。
着物も洗いざらした軽いのがいいと作家は言う。
ついでに責任、義務、仕事、財産、交際も軽くしたいと。
人生の処し方を体で知るのが老の季節。
そういえば独身者は「身が軽い」と、他の命を宿す人を「身重」と言う。
随筆「目方」(『季節のかたみ』所収)から。
2025・5・6今週のあさドラ「あんぱん」第6週「くるしむのか愛するのか」
ヤムさんが豪に
「勇ましく戦おうなんて思うなよ。逃げて逃げて 逃げ回るんだ」
徴兵検査を受けて戦地に赴く豪の足が遅いことが幸いしますように!
蘭子が
「お父ちゃんは、結婚してから熱々のラブレターをお母ちゃんにこじゃんとくれたがで」
蘭子の元へ戦地から豪の手紙がこじゃんと届き
復員して二人の手紙を一緒に読む平和で穏やかな日が訪れますように!嵩が銀座で美人に見とれているようですが、
女性も同じだと思いますよ(^_-)
幸田文(あや)さんの随筆集に
いいおとこ
屋久島へ行きました。
南の海にうかぶこの小さな島は、島のほぼ真ん中に、高い山がどかっと坐っているので、勾配はかなりきついのです。
そこの屋久杉と呼ばれる価値たかい杉があります。
中でも高名なのが、樹齢何千年といわれる縄文杉です。
それを見にいったのです。
(『季節のかたみ』幸田文 講談社 1993年)
ところが私の足では、とてもとてもそこまで登れません。
もちろん自動車で行ける場所ではなく、足で歩くよりほかすべはありません。
しかしどうしてもひと目見たいのです。
負うてもらいました。
これが若くはない、もう中年のひとです。
負うのに、紐もなにも使わず、手さえかけません。
そのひとの肩へ私がつかまるだけです。道といえる道ではありませんが、人一人がのぼっていけるような、足掛かりともいえる岩石が、なんとなく上へと続いています。
ずいぶん急で、大腿を胸近くまであげなければならないような場所も、一再ではありません。
そいうところをそのひとは、気合いもかけずにひょいとばかり、私を負うて登ります。
登りばかりじゃありません。
下りもあり、下りの先には必ず登りがついているのです。
下るときの早さといったらありません。
飛んでおりてしまうのです。
しかもその余勢で、次の登りへ弾みをつけます。私は自分の体重が申訳ないのと、正直いってこわいのとで、身をちぢめています。
するとそのひと、足はとめずにこういったじゃありませんか。
おぶわれているというのも、気がらくなものじゃないし、からだもかえって疲れるよね、と。
私、イカレました。
この山で、この心づかい、もったいないとはこのことでした。
いい男だなあ、と思いました。 桜島も小さな島のまんなかに、火山が聳えていて、屋久島と似たような地形をしています。
ここ数年来、ずっと火山活動が続いているので、山頂では相当量の噴出物がたまっており、少し強い雨だと、その岩や灰が急峻な谷へと流れくだって、途中いたる所を削ってさらに勢を増すし、土石流現象が度々にわたって起きているとききました。
それでとにかく、話だけでは風景すらよくわかりませんので、実地を見るに越したことはないとでかけたのです。 錦江湾を隔てて鹿児島市から見ると、噴煙はむしろよい景色でした。
が、現地を歩いてみると、まず第一に灰でおどろきます。
灰といっても火鉢の灰とはちがいます。
仁丹くらいの大きさに砕けた、黒い岩石粒なのです。
岩石の粒ですから、重さがあります。
ですから灰の降るときは、時雨のような音をたてて降りますし、顔へ当ればチカチカした感じがあってうるさいので、人は傘をさしたり、座布団やタオルを冠ってゆききをしています。
風の方向に当る場所は、何も彼も灰だらけ、木々も農作物も、屋根も道も灰がたまっていて、自動車が通れば、こまかい灰が黒い煙になって舞上ります。
噴煙はそれでもまだ危険ではありませんけれど、噴火となったら大変です。
その不安がいつもあります。
島の地図をみると、避難港と書いたところがいくつもあり、それは舟のための暴雨風時の避難ではなくて、噴火の時に島から脱出し、海上へ避難するためのものです。
こんなに苦楽を背負わされている上に、近年は土石流の出現です。 もちろん国も県も町も、苦心して対策をたて、努力しています。
島には、常に水の流れている川はないのです。
いつもはあっけらかんとした水無し川です。
雨がふると、時にそこが土石流の通路になります。
ところが土石流はその時の流量や、いろんな一寸したはずみで、勝手に方向をかえ、いきなり村へと襲いかかるかもしれないのです。
一大事が発生してしまいます。
それ故、川は護岸、川床を強固にして、土石をよそへはみ出さずに、海岸まで誘導する工夫を施したのです。
つまりご通路を作ったわけです。
私のききかじりに誤りがなければ、土石流の実体は三分の水と七分の岩石土砂だそうで、必ず大岩石が行進の先頭にたっているそうです。
そんな凄いものが、厚いコンクリの護岸や川床へ、ぶつかり走り下ってくるとは、どんなすさまじいものか、想像もつきません。 そういう工事を担当指導する技師さんがいます。
まだ若く、お子さんは一人という働きざかりで、島そのものへ愛着をもち、仕事意欲のしっかりしたひとです。
土石流が発生すると、その流域へは信号が届くようになっていて、危険区域は通行止めになるそうです。
もちろん信号がなれば、夜の夜中でも現場へ急行です。
なにしろ雨後、または雨の最中のことが多いのですから、よけい難儀です。
土石流の速度は速いのですが、場所によっては駈付けるのが、通過に間にあうのでしょうか、橋は被害をうけやすい建造物であると同時に、交通にとって重要ですから、技師さんは当然橋へ行きます。
要員はずっと後方に控えさせ、村人もそのあたりに集って、みんなが心配しつつ、こちらを凝視しているのが、背をむけていてもその背にはっきり感じる、といいます。
あとへはひけず、ひく気もなく、ただ、なんともいえない孤独感におそわれる、とも話してくれました。
はかり知れない自然力の前に立っているんです。
さぞ深沈とした孤独だろうと察します。
いい男だなあ、と思うのです。 いい男性はたくさんいると思います。
いい男さんがたくさんいるということは、女にとってこれ以上ないよろこびです。
顔や姿のいい、いわゆる美男もいいものです。
でも、道具だてのよくない顔や形もあります。
八の字眉に血の気のない耳、そしてずんぐり、短脚型となると、どうもそう魅力的とはいえませんが、時と場合によってはこの眉やずんぐりがものを語って、ああいい男だなと思わせることもあります。
いい男の範囲はひろいんです。
厳選主義の方もあるでしょうが、私は一点主義で、たくさんのいい男さんに出合いたいと思っているのです。
一瞬きらっと光ってくれれば、それでもう私は大満足なのです。
いい男の映像はちゃんと残っています。
どうやら私はいつもいい男さんをさがしているらしいのですが、浮気なのでしょうか。
(『季節のかたみ』幸田文 講談社 1993年)
単行本は品切れですが、文庫本が出ていて「試し読み」ができます。今朝の父の一枚です(^^)/
父と母がよく種を飛ばして遊んでいたセイヨウボダイジュ(セイヨウシナノキ)。
(↓再掲です)
ボダイジュ シナノキ科 シナノキ属
まるで鳥人間コンテストのように他種多彩な風散布種子の中でも、ボダイジュとその仲間が開発した飛行装置はじつにユニークかつ優秀です。
大きな翼を頭上に広げ、数名の乗組員クルーを一度に輸送する大型飛行船を作ったのです。
枝を離れた飛行船は、低速で回りながら風に乗って飛びます。
まるで葉の中心から枝が伸びているかのようですが、このへら状の葉は総苞(そうほう)、つまり花序(かじょ)のお伴をする特殊化した葉で、その途中まで花序の枝が癒着しているというわけです。
多数咲く花の中から、1~3個の花が実になり、その頃には硬くて乾いてやや弓なりに反った総苞の翼に、束になって丸顔の乗組員たちがぶら下がります。
日本の野山では、仲間のシナノキがよく似た花や実をつけますが、ヘリコプターの定員は2~10人と多めです。
(『実とタネキャラクター図鑑』多田多恵子 誠文堂新光社 2017年)